その19.「軽声」はどうするか?―「とりあえず、ほって
おけばよい。」
−なぜ「田中式ピンイン表記法」なのか?
「四声」は実は四つだけではありません。
「四声」と分類されるもの以外に、「軽声」と分類されるものがあります。
では「五声」かといえば、そうでもないのです。
やっかいなのは、「軽声」はワンパターンではないことです。
例えば、
「第一声」+「軽声」 の場合の「軽声」
と
「第二声」+「軽声」 の場合の「軽声」
の音の高さが違うのです。
ということは、「軽声」は4種類もあることになってしまいます。
その通りなのです。四声と合わせると「八声」にもなってしまうのです。
そもそも、発音記号などというものは、便宜的に後から考え出されたものであって、実際の声調は、「八声」どころではないのです。もっともっとあります。
だから、中国語のヒアリングは難しいのです。
いろいろな中国語会話テキストがこのことを詳しく説明しておりますが、バリバリの入門者に、こういう細かいことを教え込もうとすることは、『中国語の耳』のダウンロード中のカラオケと同じで、百害あって一利無しです。
では、どうすればよいのか?
「ほっておけば良いのです。」
つまり、「当座は細かいことを覚えない」ことにすれば良いのです。
なぜ、こんなことを大胆に申し上げるかと言いますと、最初の声調さえ正しく発音されていれば、「軽声」などどう発音しても、中国人には通じるからです。
『これ以上解り易く出来ない!中国語』のp.26には、四つ「軽声」が出てきます。それらをピンインのみであらわしますと、
ma(1) ma
ming(2) zi
jiao(3) zi
tai(4) tai
となりますが、いずれも、最初の発音が正しければ、通じます。
勿論、将来にわたって「軽声」を勉強しなくて良いという訳では決してありません。
ただ、今は「深入りするな」と申し上げたいのです。
かの孔子大先生も言っておられます、
『小不忍則乱大謀』(小さいことにかかわずらっていると、
大きな目標は達成できない)
それでも、今の段階で「軽声」をかじっておきたい人がおられるでしょう。
そういう方に、お勧めするのは、
中国人ウエイトレス、ウエイターに向かって、
ジャオ(3) ツ
Jiao(3) zi
と叫んでみることです。
「餃子」が出てくれば、それでパスです。
この際、「ジャオ;Jiao」は、レストランの床を見ながら、床に向かって、低く低く発音しなければいけませんよ。
(続く…)
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