その1.日本人の中国語のレベルについて
日本と中国を分け隔てているのが海だとすれば、日本人と中国人を隔てているのが「言葉、即ち日本語と中国語」である、と言われたら皆様はどう感じられるでしょうか?
私は、最近、日中双方のビジネスマン、大学生、日系企業・日本企業に働く中国人、中国人の下で働く日本人、足裏マッサージ師、レストランやホテルの従業員等等との交流が進むにつれ、日に日にその感を強めています。
もともと『中国ビジネス戦記』で「言葉さえ通じれば、即結婚可。」と書く程この面の問題意識は持っているつもりでしたが、その後、問題意識は日に日に高まりをみせ、今や「何とかしなければいけない」というレベルにまで達し、こうして特定テーマのコラムをチャイナワークさんに設けさせていただくと同時に、近々「心弦社 語学塾―100万人の中国語入門コース」を開設することに相なりました。
これは今まで中国語に触れたことのない日本人100万人を一挙に中国語に入門させようというプロジェクトですが、気持ちとしては、100万人ではなく、「1000万人…」としたいというのが偽らざるところです。
(これにまつわる面白い話があります。中国の方々にこのプロジェクトの概要を説明し「1000万人…」と申し上げると、「良いじゃないですか。」との返事をいただけるのに、大方の日本人の反応は、「白髪三千丈ものですよ。それじゃー誰も来ませんよ。」なのです。 この辺に、日本人と中国人の「価値観」や「表現方式」の違いの一端が表れていると思いませんか?かと思えば、日本人の中には「100万人…」は「100万人の英語」にあやかったのではないかなどとのたまわられる御仁もおられます。これ、今の若い日本人にはピンと来ないのではないでしょうか?私も忘れていましたよ。)
更に私が最近痛感しているのは、「日本人の中国語のレベルが中国人の日本語のレベルに水をあけられているという」ことです。
具体的な例を挙げますと、中国関係の日本語サイトでは中国人が日本語で事も無げに「…論壇」等と銘打って長い文章を書き自分の思想や感情を表現しているのに引き換え、逆のケースは極めてまれです。或いは、日本企業で働く中国人達は、日本人の上司・同僚・部下に伍してバリバリ仕事をやっています。たまたま私が監査役を勤めている日本の会社にも10名弱の中国人従業員がいますが、会社の重要な会議でも堂々と発言し、コミュニケーション上なんら差し障りのないレベルに達しています。
現状がこうなった背景や原因は突き詰めて行けば一言で括れる程には単純ではないでしょうが、それはそれとして追究する一方で、日本人側としては、かかる状況が厳然として存在することを認め、早急に有効な改善策を打って行くべきだと考えます。
「100万人…」も、日本人の中国語のレベルをアップさせるための一つの方策とすべく不退転の決意の下にスタートしておりますが、一人の力で出来ることなどたかが知れております。
「衆人拾柴,火焔高。(同志は多いほど、盛り上がる。)」です。
一人でも多くの方のご賛同が得られることを願ってやみません。
さて、前書きはこの位にして、下記の或る工場の標語を中国語に訳してみて下さい。中国語の分からない日本人は、周りの中国人に手伝ってもらって下さい。
(日本語)「油断一秒、怪我一生。」
(中国語)「 , 。」
(・・・続く)
心弦社 語学塾
“100万人の中国語入門コース”のご案内
▲目次に戻る
|