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第10回 中国人幹部の雇用(2)


 今週は中国特有の専門資格制度について簡単にご説明しましょう。よく「電脳系統工程師」すなわちコンピューターシステムエンジニア(SE)などと十把ひとからげに言われますが、同じエンジニアと言っても、正式かつ厳密には、政府の定めた以下の四つのランクがあります。

○技術員…工業専門学校卒業で実務経験1年〜4年の者

○助理工程師…大学卒業で実務経験1〜2年の者、または技術員経験2〜4年以上の者

○工程師…博士号所持者で助理工程師経験2年以上の者、学卒で助理工程師経験4年以上の者

○高級工程師…博士号所持者で工程師経験2年以上の者、大学卒業で工程師経験5年以上の者

 エンジニアだけでなく、会計士、律士(弁護士)、経済師(経営者)、記者、パイロットなど様々な業界職種にわたって、同様の四つのランクがあります。これらの称号は正式な国家資格であり、所属する国有企業の推薦を通じて各級政府にある専業技術職務評審委員会の審査を受けます。合格すれば、本人に専業技術資格証明書が発行されます。企業が勝手にこれらの称号を使用することはできません。

 中国ではもともとホワイトカラーよりもブルーカラーのステイタスの方が遥かに高く、こういった国家資格に対して外資企業の経営者が無頓着であるということは許されず、各ランクごとの差別待遇手当も必要になります。

 ただし、彼らの技術水準、実力が実際どの程度のものかというのは別問題です。彼らの存在は企業にとって「ステイタスシンボル」である場合が多く、経験年数は豊富でも精密ノギスや計算尺の使い方を知らない高級工程師も実在しますので、称号だけで即戦力というわけにはいきません。また、外資系企業がこういった称号を持つ幹部人材を必ず雇用しなければならないという法律もありません。

   (・・・続く

…「チャイナリスク」、「チャイナビジネス」著者 筧 武雄

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