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 100万人の中国語


その97.日本人だからこそなれる、日・英・中の使い手(22)


 英語を話さないわけにはいかない現在の国際社会を生き抜くため、多数の英語教師を養成し、全国の中学校、高校、大学に配置し、強制的に英語教育をやっているのが日本の外国語教育の現状です。

 もし、これを止めて、中学・高校で、英語でも、中国語でも、朝鮮語でも、スペイン語でも、ロシア語でも、スワヒリ語でも、フランス語でも、ドイツ語でも、・・・自由に選択することができるようになったとしたら、どういう現象が起きてくるか予測してみると、英語教育、ひいては中国語教育をめぐる問題点がいくつか浮き彫りになって来ると思われます。

 仮に全国の中学・高校で学ぶ外国語の比率が、このような分布になると仮定します。(各言語の教師が養成可能であるか否かの問題は、とりあえず、度外視します)

英語 60
中国語 20
朝鮮語  5
ロシア語    5
フランス語  4
ドイツ語  3
スペイン語  2
その他  1

 すると、理論的には、日本の100人の高校卒業生が操れる言語は、下記となるはずです。

英語 60
中国語 20
朝鮮語  5
ロシア語    5
フランス語  4
ドイツ語  3
スペイン語  2
その他  1

 しかしながら、実際には、中学・高校で学んだからと言って、会話ができたり、文章が書けたりするレベルに達するのは一部の生徒であると思われますので、そこを大胆に予測すると、こんな感じになるのではないでしょうか?

英語 30
中国語 10
朝鮮語  3
ロシア語    3
フランス語  1
ドイツ語  1
スペイン語  1
その他  1

 つまり、100人の高校卒業生がいたとしたら、約50人が、日本語ともう一つの外国語が操れるということになります。

 半分くらいの人間が外国語を操れるのは、結構なことです。おそらく外国人の目には、「日本人は、外国語に強い」と映るに違いありません。

 しかし、上記の仮定に立てば、

英語ができる者 30
英語が少しはできる者 15
英語ができない者    55

になってしまいます。

 一方、現状の、「皆英語主義」的教育システムであれば、

英語ができる者 50
英語が少しはできる者 30
英語ができない者    20

あたりになっている筈です。

 英語ができない者の比率に、大きな開きがあります。     

(続く)

 

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