その92.日本人だからこそなれる、日・英・中の使い手(17)
確かに、『ポケット』を片手に、0.8億人の日本人が、10億人の中国人と、英語によってコミュニケーションができれば、それはすばらしいことですし、どちらの側から見ても、コミュニケーションの手段としての言葉、或いは言葉のギャップの問題は、ほぼ解決されているということになるでしょう。
ビジネスのみならず、あらゆる場面で、意思疎通がスムーズに行え、恐らく各種文化交流や結婚も増えるに違いありません。現在の英語を話すアメリカ人とオーストラリア人のような関係がもたらされるに違いありません。
また、言葉の習得という面からすれば、お互いがお互いの母国語である日本語、中国語を勉強せずとも、英語だけ一生懸命勉強していれば事足りる、即ち、外国語の勉強に関しては第一外国語である英語のみに限定していれば良いということになります。そうすれば、残った時間は、別の科目の勉強に時間を割けるという、願ってもない状況が生まれて来ます。(勿論、外国語の勉強が好きな人は、それでも、第2外国語を学ぶでしょうが・・・・。)
しかし、果たして上述のような状況が生まれるものなのでしょうか?
私は、期待薄だと見ます。仮に、日本、中国両国政府が、英語至上主義を掲げ、同じベクトルで、力を合わせたとしても、0.8億人の日本人と10億人の中国人が、英語を使いこなすような時代に
到達するのは、極めて困難だと見ます。
以下、全くの憶測を言わせていただければ、お互いの外国語教育のやり方が現状維持とした場合、
A:「この料理おいしいですね。」
B:「はい、これは、北の海でとれた魚です。」
レベルの会話が英語でできる日本人と中国人は、10年後にも、現在とほとんど同じ、
日本人:0.5億人
中国人:2 億人
位しかいないのではと予測します。
(続く)
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