その88.日本人だからこそなれる、日・英・中の使い手(13)
日、英、中のどのネイティブにも受け入れられる自然な表現とするために、私と共同執筆してくれる英語人と中国語人を探しました。
日本には、いまや多くの英語人と中国語人が住んでいます。ですから、メガネにかなう人は、すぐにも見つかりそうな気がしますが、実は、私が「特殊なメガネ」を掛けてしまったので、結果的には、お目当ての人を捜し当てるのに大変苦労をしました。
私の掛けた「特殊なメガネ」とは、「日本語・中国語を知らない英語人、日本語・英語を知らない中国語人が探し出せるメガネ」でした。いるようでなかなかいないものです。特に後者探しには苦労しました。何しろ、日本に住んでいる中国語人は日本語が上手い人が多く、日本語を全く理解しない中国語人など皆無に近く、まるでそれは、ダイヤモンド鉱山でダイヤモンドの原石を探すようなものだったからです。
しかしながら、努力の甲斐あって、お二人の有力な共同執筆者が見つかりました。
ケン・カミハバさん と 丁敏さんです。
このお二人は、まさしく私が求める条件を満たす人達でした。何しろ、このお二人の間ではコミュニケーションが成り立たないのですから。(いや、それどころか、今に至るまで、このお二人は会った事も、言葉を交わしたこともないのです。)
で、共同執筆者が見つかったら後は順調に進んだかと言えば、決してそうではありません。
この本、『ポケットに入る日英中会話ハンドブック』では、各会話例文の状況説明や語法に関する説明や注釈は一切付けていません。普通のテキストと同じような内容とすると、ポケット、或いはカバンに入れて持ち歩くことが出来なくなってしまいますので、敢えて、そのような体裁にしました。が、このことにより、本作りが非常に難しいものになってしまったのです。
(続く)
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