その71.なぜ、「これなら出来る!・・・」か?(19)
さて、@「発音」、A「語彙」は、めでたくクリアできそうです。そうなると、残るは、B「語法」ということになります。(「語法」は、「文法」と言い換えても構いませんが、ここでは、「語法」に統一させていただきます)
よく、
「私は、きちんと中国語の語法を学んだことがないので、中国語を学んだとは言えません。」
とか、
「誰か、中国語の語法をきちんと教えてくれる人はいないかな?
私は、中国にいたので、中国人と会話をすることには余り不自由しないのに、ちゃんと基礎から語法を学んだことがないので、もう一つ自信が持てないんです。」
とか、
「先生、会話のテキストは役に立ちますが、語法のテキストはやらなくてもよいのですか? 語法の専門書、良いものを紹介してくれませんか?」
などと言われます。
私は、このような疑問・質問・要望・詰問・・・に対しては、こう答えることにしています。
「中国語の場合は、助詞、助動詞、形容詞・・・などという語法用語を覚えるより、文型=文の形を覚えてしまった方が良いのです。なぜかと言えば、中国人が中国語を話す場合も、会話で使われる文型を頭に叩き込んで話しているだけですから、我々外国人も同じやり方で、中国人と同じようにしゃべれるようになるんです。
特に、初級者にとっては、語法の理屈を云々するのは、百害あって一利なしです。
先ずは、『これ以上解り易く出来ない!中国語』の基本文型(1)〜(56)を覚えてしまいましょう。この位の文型が使えれば、必ずや中国人が目を白黒させる位、いろいろなことが言えるものです。」
こういう説明で、大抵の初級者は納得してくれ、基本文型の学習に向かってくれるのですが、中には、納得できないと食い下がってくる方も、時々います。
こういう方に対しては、こう答えます。
「今、中国の学者も含めた世界中の多くの人が中国語の語法を研究しているのですが、中国語は、文章の構成がシンプル過ぎて、却って語法的、文法的説明が難しいんですよ。例えば、次のような文章がなぜ成り立つのかってことを説明し始めると、元の文章の数倍、数十倍の説明文が必要になってしまうのです。
簡直神了!
貨車成死烏亀一個。
難為他問。 」
勿論、世の中には優れた中国語語法に関する書物はありますし、私も折に触れ参考にさせていただいてますが、私がそういった書物に触れたのも、中国人と会話をするようになってから十数年後のことでした。
(続く…)
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