その196.「核文字」を攻める (12)
「核文字」は、「万里の長城」になぞらえると、イメージ
し易い。
「万里の長城」は、石やレンガを積み重ねて作っている。
(以下、話を分かり易くするために、レンガで石とレンガ
を代表させる)
途方もない数のレンガが使われている。レンガは、見かけは、
ほとんど同じで、特に、このレンガが重要、このレンガが
重要ではないという風には、区別されていない。どれもが、
無くてはならないものに見える。
しかし、つぶさに見てみると、違った様相が見えて来る。
そのレンガを取ったら長城が崩れてしまうような位置にある
レンガと、それを取り除いても長城が崩れることはないレンガ
があることが見えて来る。
どうしても取り除くことが許されないレンガのみで長城を
作ってみれば、穴あきの、隙間だらけの長城となろうが、
長城の基本的機能は維持されているし、見かけもほぼ長城
らしく見える。
この隙間を、例えば、藁くずや泥や砂で埋めても、長城
であることに変わりはない。
このような、
「どうしても取り除くことのできないレンガ」=「核文字」
をイメージすれば良い。
換言すれば、「核文字」を欠いた文章は、中国語の文章では
ないということになってしまう。
例えば、
“中国是大国。”
“China 是大国。”
“China 是 a big country。”
ここまでは、曲がりなりにも、中国語の文章と言える。
だが、
“中国 is 大国。”
となると、もはや中国の文章とは言えまい。
英語の文章になってしまう。
「核文字」である“是”は、どうしても取り除くこと
は出来ないのだ。 (続く)
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