その185.「核文字」を攻める (1)
今まで述べた<一文字>〜<多文字>探索の過程で、
<一文字>が単独で使われるとは限らないことが分かっ
て来た。
かくして、従来のような考え方―――「重要な一文字」
を選び出し、それの意味と用法を深く徹底的に追究する
――だけでは不十分ということになってしまった。
どうしても、他の文字との関係性において、その意味と
用法が追究されなければならない。
どうすればよいか?
そこで図らずも生まれて来た新しい概念が、「核文字」
という概念だ。
先に例に挙げた、“大”のような一文字のことだ。
“弄大”
“拉大”
“変大”
“大不了”
・・・・
イメージ的には、茫漠たる雲の中にある、チリや粒子
のようなもので、その周りに水滴が群がり、雹や団子雪
を発生させるような存在だ。
この「核文字」があってこそ、新しい意味の塊やニュアンス
の塊が出来てくるのだ。
この「核文字」に焦点を当てて行けば、茫漠たる大洋
のような中国語の世界の構造がより鮮明となるはずだ。
なるほど。
だが、ここで、こういう疑問が生まれて来よう。
1.「核文字」と「非核文字」を分別する基準は?
2.「核文字」は、いくつあるのか?
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