その162.「話す」「聞く」「読む」「書く」(8)
5.「四声」は、なぜ、正確無比でなければならないのか?
我々が中国語を「話し」「聞く」時、「母音」「子音」を軽視してはならないことを強調
して来ましたが、「四声」(五つの声調)も同様に決して軽視してはなりません。
時たま、「母音、子音さえ正しく発音出来ていれば、四声なんて多少いい加減でも
問題ないよ」という人に出くわしますが、とんでもないことです。
「四声」は、正確無比でなければならないのです。
と申し上げると、「正確無比」という言葉にたじろいだり、反発を覚える人がいるで
しょうから、もう少し誰にでも受け入れ易い言い方に直しますと、「四声は、必ず通じる一定範囲内に落とし込まなければならない」のです。
で、なぜ、中国語においては、「四声」などというややこしいものがあるのでしょうか?
いくつかの理由があるでしょうが、私は、最大の理由は、中国語に、もし「四声」がなかったら、「同音異義語」だらけになってしまうからだと見ます。
例を挙げてみますと、
「yi」と手元の辞書に入れてみると、330を上回る漢字が表示されます。(数えるのに、一苦労でした)
「yiyi」と手元の辞書に入れてみると、14程の2文字の単語が表示されます。その
内訳は、
yi(1)yi(1) ・・・2単語
yi(2)yi(4) ・・・4単語
yi(4)yi(3) ・・・1単語
yi(4)yi(4) ・・・7単語
となっています。
「同音異義語」が、いかに多いかは、火を見るより明らかでしょう。
(続く)
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