その161.「話す」「聞く」「読む」「書く」(7)
4.これから本格化する「ピンイン」との格闘
中国語の発音記号として、「ピンイン」は、不動の地位をものにしているように見えます。数多の他の発音記号を押しのけて、PCや携帯の入力に大活躍です。電子辞書にしても、「ピンイン」は不可欠となっています。
日本人、いや中国語を母語としない人が、中国語の「話す」「聞く」をものにしようと思うなら、「ピンイン」は絶対に避けて通れません。
これから中国語を学ぶ人が増えるにつけ、「ピンイン」と格闘する姿があちこちで見られるようになるでしょう。
では、ネイティブにとっては、「ピンイン」は、どういう存在なのでしょうか? ネイティブは、自分が読めない漢字に出会った時、どうしているのでしょうか?
やはり、「ピンイン」が付されていれば問題は解決するでしょう。やはり、「ピンイン」様様です。
しかし、ネイティブの多くの人は、こういう時、別の形で解決することもできるのです。「ピンイン」に頼らず、別の「漢字」に頼るのです。
例えば、「獺」。
ちょっと見には、“lai”といった音が想定されますが、なんと“ta3”と読むらしいのです。
ネイティブがネイティブに聞きます。
「これ、どう読むの?」
ネイティブがネイティブに答えます。
「ああ、“塔”ですよ。」
こういう芸当が出来るんですね、ネイティブの人達は。
こういう芸当が出来るまでには、相当な年月がかかります。何千もの漢字の音を覚えなければならないのですから。
こういうレベルに達するまでは、「ピンイン」が唯一の頼りです。ですから、「ピンイン」をしっかりと覚えることが何より重要です。
逆に、「ピンイン」さえ、しっかりと身に付けられれば、中国語の「話す」「聞く」の世界に足を踏み入れることが出来るのです。
(続く)
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