その132.二段ロケット式外国語学習法(14)
人の「言語を習得する能力」に関しては、神様は、「公平平等」という視点に重きを置かれたらしく、生まれつき余り差はないようです。特に、幼児期のそれは、まさに、「横一線」といった感じです。
アメリカ人の子供が「パパ、ママ」を覚えるのと、日本人の子供が「パパ、ママ」を覚えるのは、同じようなプロセスや進度をたどっているようです。
それが、大人になると、なぜ、新しい言語を習得するのが難しくなるのでしょうか? ピンカーは、「音素」が身に着かないと言っています。
明治時代に中国語研究を行い、「音韻学に基づく科学的、組織的学習方法」の確率の必要性を説いた先駆的学者、伊沢修二は、この点に関して次のような鋭い指摘をしています。
「年齢の長じた外国人は決してそれ(外国語)を本当に聴かない。
皆自分の思ふ通りに聴く。・・・・
成長した人の耳は外国語に対しては殆んど皆嘘を聴くと言っても良い。自分の出来る音より他一つも聴こえない。・・・・」
(『日中言語文化交流の先駆者』埋橋徳良、白帝社、p.138)
(続く)
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