www.chinawork.co.jp
トップぺージ Book Store 経済の眼睛 業務案内

 

目次に戻る

 100万人の中国語


その115.日本人だからこそなれる、日・英・中の使い手(40)

 今度は、
「3.文語文の影響が色濃く残っている。」
です。

 実は、この文章は、私自身が書いたものですが、かなり控え目に、抑えて書いてあります。なぜなら、中国語の場合、「影響が色濃く残る」程度どころではないからです。かなりの文語文が、そのまま、通用しているからです。
 例えば、林語堂の「孔子の智慧」という本の一節は、こうなっています。

 孔子有好幾次説他自己不是聖人,只是自己“学而不厭,hui4人不倦”而已。
 
“ 学・・・”の部分は、論語の原文がそのまま引用されています。中国語だからこそできる芸当と言えます。

 「言語を生み出す本能」(NHKブックス、スティーブン・ピンカー、椋田直子訳)によれば、600年前の英語と現代の英語では、この位違うそうです。

 中英語  “Oure fadir that art in heuenes halowid be thi name.”
 現代英語 “Our Father, who is in heaven,may your name be kept holy.”

これでは、引用したくとも引用する訳には行きませんね。

 中国語は、漢字を古くから使っているだけではなく、その意味を「変えまい、変えまい」としたことが良く分かります。

 しかし、長い年月を経て、中国語も変遷を遂げて来ています。ですから、古典文をそのまま引用されても、現代人には理解し難いことも多いのですが、なまじ、同じ漢字であるために、「変な現代訳文」はあてられないということで、そのまま引用されてしまうことが多いようです。

 外国人の前に、時として、このことが大きな障害となって立ちはだかるのです。

(続く)
 

目次に戻る

 


 

Copyright© 2006 ChinaWork Co., Ltd. All Rights Reserved.