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第21回 総経理、総工程師、総会計師、工会 

 総経理とは何でしょうか?
 総経理とは董事会の決議事項を執行する「社長」職に相当します。
 総経理は公司の高級管理職員のトップであり、董事会により任免されます。公司内には総経理の下に各現業部があり、部長経理が存在します。したがって正確に言えば、公司内の「経理会議」が、わが国でいう取締役会にもっとも近い存在と言えるでしょう。
 中国の公司にはいわゆる「取締役」が存在せず、正副総経理が董事会から直接任命されることを考えると、公司の現場における実際の経営権は総経理に集中しているということができます。ただし、総経理には公司経営方針の決定権はありません。現代風に言えばチーフ・エグゼクティブ・オフィサー(C.E.O.執行役員長)といったところでしょうか。
 総経理は日常業務の遂行に責任と義務があり、経営状況を董事会に報告し、また経営方針を策定して董事会に諮らなければなりません。したがって董事長、副総経理がともに中国側であった場合、日本人総経理はサンドイッチ状態になって大変な苦労を強いられることになります。当初から人選は慎重に行う必要があります。

 では、総工程師、総会計師とは何でしょうか。
 総工程師とは、わが国のチーフエンジニア、技師長に相当する職位です。国家技能資格の取得状況、学歴、現場での技能専門職経験などを吟味して董事会が任命します。財務にあっては同様に総会計師という職位もあります。これらはいずれも象徴的な職責であり、公司内に必ずしも設置しなくてはならないという職位ではありません。

 「工会」(こうかい、またはコンホイ)とは何でしょうか。
 これは労働組合のことです。在中国の日系企業では労働組合の組織率がようやく半数を超えたと言われていますが、まだ現実の組織率は必ずしも高くはありません。
 従来の国有企業においては、企業内に中国共産党支部が存在し、そのトップである支部総書記が事実上の経営権を掌握してきました。総経理は党総書記に対して経営報告を行ない、その指導を受けて経営を執行するスタイルです。党の下に経営があり、そして労働者を統率する組織として「工会」がありました。工会は基本的に経営と並んで共産党に従属する党の「下部組織」としての位置付けであり、党から独立して単独で公司内に存立することが難しい性格の組織です。したがって共産党支部が組織されていない外資系公司で工会の組織率が高くないことは当然の結果とも言えるでしょう。
 また、共産党を指導者として、経営と工会がそれに協力し、従うという伝統的な構図の中で、工会が経営に対して労働争議を起こしたり、ストライキを打つなどという傾向が稀であるというのも社会主義国ならではの特徴と言えるでしょう。外資系企業にあって、工会幹部が社内争議やストライキの沈静化にあたるという状況も珍しくありません。そういう意味で「組合対策」をきちんとやることが重要になります。工会を作らせなければストは起きない、というのは間違いで、現実には「工会をきちんとやらなければ、万一スト等の労働問題が発生したとき手の打ちようがありません。」

  (・・・続く

…「チャイナリスク」、「チャイナビジネス」著者 筧 武雄

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