日本語文書の中国語訳について領事認証を求められるケース

中国に提出する日本法人の会社登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を外国語に訳したものについて、中国政府部門の窓口から公証役場の認証と中国大使館の領事認証を取得するよう指示されました。どのような手続きが必要でしょうか︖

 今回は、会社登記簿謄本を外国語に訳したものに領事認証を求められた場合について説明します。登記簿謄本のほかにも、会社の定款、パスポートや運転免許証などの身分証明書のコピーなど、日本語で記載された書類を中国語に訳したものについて認証を求められるケースへの対応を整理してみます。まず、私たちが普段、あまりなじみのない公証役場と公証人についてです。

公証役場・公証人

 公証役場は、全国に約 300 ヵ所に設置されている法務局の管轄する機関です。最寄りの公証役場を探すなら、公証役場一覧( https://www.koshonin.gr.jp/list )を利⽤してみてください。
 それぞれの公証役場には、公正証書を作成する公証人が1名以上配置されており、公証人のほか、事務を取り扱う書記がいます。そして、遺⾔や任意後⾒契約などの公正証書の作成、私⽂書や会社等の定款の認証、確定日付の付与などの公証業務を⾏っています。

公証役場で⾏う各種認証の種類と取得

通常、中国ビジネスで必要となる私⽂書の認証は、以下の2つです。

1.「署名認証」︓文書になされた署名(又は記名押印)の真正を証明
 不動産取引の委任状のケースなどがこれに当たります。中国語で作成して、直接、「署名認証」を⾏うことになりますが、この場合、完璧な日本語訳を持ち込まなくても、だいたいの主旨や内容を公証人に説明すれば公証してもらえます。ただし、「中国ビザ申請サービスセンター」で領事認証を申請するときに受理してくれないことがあるので注意が必要です。予め中国ビザ申請サービスセンターにどのようなフォーマットでやるのがよいのか確認しておくことをお勧めします。もっとも、同サービスセンターとのやり取りは現在予約制で予約枠が限られており、内容を確認して対応するのは、一般人ではかなりやっかいです。領事認証手続きは、中国大使館指定旅⾏業者による代理申請が可能となっており、慣れている業者に依頼したほうが無難です。

 公証役場は、事前の日時の予約が必要です。とくに、認証が必要な嘱託人は、法人なのか個人なのか、または当事者なのか代理人なのかを詳しく聞かれます。署名者本人の身分証明書(顔写真付き︓マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)と、実印の押印にも認証が必要な場合には、印と印鑑登録証明書が必要です。

2.「宣誓認証」︓公証人の目の前で書類作成者が内容に虚偽がない旨の宣誓をして目の前で署名
 会社登記簿謄本のほかにも、会社の定款、パスポートや運転免許証などの身分証明書、また、現地法人や駐在員事務所の設⽴手続き、不動産売買契約、就業ビザ手続きなどで身分証明書を提出する際に、日本語で記載された書類を外国語に訳したものについて中国の領事認証を求められるケースです。
 その際は、身分証明書となるパスポートの内容をまとめた証明書を作成するか、あるいはパスポートコピーにカバーレターとなる中⽂での宣誓書(Declaration)を添付して、公証人の認証を得たうえで中国領事認証を取得します。
 宣誓書の中国語訳⽂は、あくまで認証の対象となる私⽂書となります。この宣誓書には、「日本語と当該外国語に堪能であり、日本語の書類の記載内容を誠実に翻訳した」…と、添付する日本語書類の外国語訳もあわせて添付していることを説明します。

翻訳⽂の「公印確認」と「領事認証」を取得するための具体的な手順

(1)会社登記謄本や身分証明書(or 宣誓書)を中国語で作成

(2)公証役場で公証人による認証
 中国語⽂書の認証もまた私署証書の認証であり、通常は、「面前署名」といわれる署名者本人が、公証人の面前で、証書に署名又は押印する形が取られます。本人が⾏けない場合は、「代理⾃認」という代理人が公証人の面前で証書の署名、押印を⾏います。

(3)法務局で公証人押印証明
 公証人押印証明とは,公証役場で認証を受けた書類(私署証書)等に対して,公証人の所属する(地⽅)法務局⻑が、認証の付与が在職中の公証人によりその権限に基づいてされたものであり,かつ,その押印は真実のものである旨の証明を付与するものです。
 東京法務局では,東京都内の公証役場で認証を受けた書類等に対して,東京法務局⻑の証明を付与します。

(4)外務省の公印確認証明
 法務局の登記官の印等である公印が偽造ではなく真正なものであることを、日本の外務省が確認して証明することを⾔います。
※東京都内の公証役場では、上記の(2)~(4)まで、すなわち、法務局の公証人押印証明と外務省の公印確認を 一緒に取得することが可能です。

(5)領事認証の取得
 中国大使館・領事館による領事認証は、現在は東京、大阪、名古屋にある中国ビザ申請サービスセンター(https://bio.visaforchina.org/TYO2_JP/)で申請します。

※中国ビザ申請サービスセンターの領事認証手続きをする場合、書類の体裁に対する要求が非常に厳しいのでご注意ください。
 また、依頼人が個人か企業かで⺠事認証、商事認証と分かれ手数料もそれぞれ変わってきます。急ぎで領事認証を受けたい⽅に向けて、普通申請の他に特急申請という申請⽅法があり、こちらも手数料がそれぞれ変わります。

以 上

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