「反食品浪費工作方案」の影響と激安輸入食品スーパーの台頭

最近、中国では暴飲暴食の動画配信が禁止になり、賞味期限間近の食品を激安で販売している店舗が人気を集めています。これら反食品浪費の状況を教えてください。

昨年 12 月 17 日、国家発展改革委員会は「反食品浪費工作方案」を発表し、「食品の浪費」に関する情報監督管理を厳格にすると宣言しました。具体的には、国内のテレビ局や動画共有サイト等が暴飲暴食などによる食品を浪費する番組や動画の制作、発表、宣伝を行う事を禁止する、という内容です。
もし、禁止されているにもかかわらず改善を拒否したり、経緯が深刻な場合は、罰金や番組放送が停止させられ、責任者に対しては法に基づいて責任が追及されます。
参照:国家发展改革委办公厅等关于印发《反食品浪费工作方案》的通知(原文)

中国のインターネット上では大食いの動画を見かけなくなりました。

中国動画共有サイトの抖音 (Douyin)や快手(kuaishou)で、「大食い」と検索しても関連動画が出てきません。

むしろ、検索画面には「食糧を大切にし、合理的に食事をしよう」といった言葉が現れます。一時期、中国では大食いを武器にしたネット上の有名人が多数活躍していましたが、出てこなくなりました。

■なぜ大食い動画は人気があるのか?

なぜ中国では大食い動画の人気があるのか、中国のインターネット上では以下の理由が挙げられていました(参照:年軽人愛看喫播的原因,就在這 280 万条弾幕裏)。

<大食い動画をよく見ている視聴者>
・食欲が無い時に食欲をわかせるために大食い動画を見ている。
・ダイエット中の食欲を抑えるために大食い動画を見て満腹感を得ている。
・大食い動画を見ながら自分も食事を取ることで一緒にご飯を食べているような気分になり、孤独感を解消できる。
・どうしてそんなに沢山食べられるのか?どんな人がそんなにたくさん食べているのか?どんな食べ方をしているのか?何を食べたのか?など好奇心を持ってしまう。

■食品浪費がビジネスチャンス!? 激安輸入食品スーパー「ホット・マックス」

最近、中国では食品浪費の助け役として激安輸入食品スーパーが人気を集めています。「ホット・マックス」といい、北京や上海に大きく展開している激安チェーン店で、現地の販売会社やメーカーなどが抱える倉庫で余った食品や賞味期限間近の食品を3〜5割引で販売しています。

同店は特に若者たちに人気で、現在、中国国内に 200 店舗を展開しています。「賞味期限が近いことは気にしない」、「ホット・マックス」の店内は宝(激安商品)で溢れており、100 元(約 1800 円)あればカゴ一杯買い物する事が出来る」、「コスパの良い商品を売る店」と消費者から支持されています。

しかし一方では、値段が安いからといって大量に購入しても、賞味期限間近の商品が多いため、家で食べきる前に賞味期限が過ぎてしまうことが問題となっています。ようするに、勢いで買い過ぎてしまうということでしょう。

上海の「ホット・マックス」に視察に行ってみると、確かに販売価格は安く、商品によっては 8 割引、9 割引の商品もありました。しかし、あまりにも安すぎると、どこか心配になってきます。店内は高校生や大学生などの若い人たちが多く、学生にとっては少ないお小遣いやバイト代でカゴ一杯に買い物ができるため支持されることが理解できました。また、賞味期限が切れて廃棄処分にしてしまうよりかは、このように低価格で販売すれば消費者は喜び、またゴミの廃棄量も削減できるため環境にも良いということになります。

中国では新たな政策が実施されると、それに対応した新たな商売(市場)が出てきます。今回の「暴飲暴食の動画が禁止」や「食品浪費の禁止」は、食べ物を大事にしようという意味ですが、ホット・マックスは、そこにビジネスチャンスを見出しました。中国政府の政策がコロコロ変わると批判されることがありますが、それをもビジネスに結び付けていく“たくましさ”には驚かされます。

以 上

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