中国の現地子会社が清算した場合の日本親会社(株主)の責任

中国にある現地子会社が解散・清算した場合の日本親会社が負うべき責任範囲は、どのようなものがあるのでしょうか?

会社清算とは、会社が解散し、未決済の業務を片付け、債権債務を処理することです。そして、会社残余財産を分配して、最終的に会社の主体資格を消滅させる法に基づいた一連の手続きのことです。
では、現地子会社が解散・清算した場合、日本親会社にはどのような責任が及ぶのでしょうか。以下に想定される項目を列記してみます。

(1)親会社(株主)に対する連帯責任及び損害賠償責任

中国では、有限責任公司であっても日本親会社の負う損害賠償責任は、出資した範囲内を上限となっていないことに注意が必要です。

「会社の株主は、法律、⾏政法規及び会社定款を遵守し、法により従って株主の権利を⾏使しなければならず、株主の権利を濫用して、会社またはその他の株主の利益を損なってはならず、会社法⼈としての独立した地位および株主の有限責任を濫用して会社の債権者の利益を損なってはならない。

会社の株主が株主の権利を濫用して会社またはその他の株主に損害をもたらした場合は、法に従い賠償責任を負わなければならない。会社の株主が会社法⼈の独立的地位及び株主の有限責任を濫用して、債務を回避し、会社の債権者の利益を著しく損なった場合には、会社の債務について連帯して責任を負わなければならない」
「公司法」第 20 条(株主の権利濫用の禁止)

「会社の支配株主、実質的支配者、董事、監事、高級管理職員はその関連関係の地位を利用して会社の利益を損なってはならない。前項の規定に違反し、会社に損害をもたらした場合は、賠償責任を負わなければならない
「公司法」第 21 条(支配株主等の地位濫用の禁止)

(2)保障責任

子会社の債務に対して、親会社として連帯保証を差し入れていた場合は、撤退に際して保証債務を実⾏する(子会社に代わって債務弁済を履⾏する)義務がある。

(3)代理行為・越権代表責任

中国の子会社が親会社の代理業務を⾏なっていた場合で、中国の「契約法」には、以下の規定がある。「⾏為者が代理権なく、代理権の範囲を越え、または代理権終了後、被代理⼈の名義をもって締結した契約について、相手方が行為者に代理権があると信じる理由がある時は、当該代理行為は有効である」(「契約法」第 49 条)

法人の法定代表者、責任者が権限を越えて締結した契約は、相手方がその権限越を知り得たか、または知り得るべき場合を除き、当該代表行為は有効である」(「契約法」第 50 条)

(4)経営責任

出資者として現地経営者の経営責任を追及すると同時に、本社も自らの株主から海外子会社の経営責任を問われることとなる。

(5)経営責任

有限責任会社の場合、清算義務の主体は株主全員であり、株式会社の場合、清算義務の主体は董事、支配株主です。以下の規定の通り、有限責任会社も株主会社も、いずれも法に従い清算手続を開始させ、清算委員会の構成員を確定する義務を負わされています。

「会社は、本法第 180 条第 1 号、第 2 号、第 4 号、第 5 号の規定により解散する場合、解散事由が生じた日から 15 日以内に清算委員会を成立させ、清算を開始しなければならない。有限責任会社の清算委員会は株主により構成され、株式会社の清算委員会は董事または株主総会で確定した⼈員により構成される。期限内に清算委員を成立させて清算を⾏わない場合、債権者は⼈⺠法院に対し、関連⼈員を指定して清算委員会を設置し、清算を⾏わせるよう申し立てることができる。⼈⺠法院は、かかる申請を受理し、かつ遅滞なく清算委員会を組織し、清算を⾏わせなければならない。」
公司法第 183 条(清算委員会)

以 上

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