中国向け越境ECにかかる関税などについて
- 中国向け越境ECでの販売を検討しています。その場合、商品にかかる関税などを教えてください。
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中国向け越境ECでは主に2種類の方法があり、直送モデルと保税区モデルになります。それぞれの方法で必要となる関税などをまとめました。
種類 直送モデル 保税区モデル 税金 行郵税(進境物品進口税)
購入額1,000元/税額50元以内の場合は免税越境EC電商税
関税⇒0%
増値税と消費税⇒70%商流 日本メーカー→EMSなどの国際物流→通関(中国)→中国国内配送→消費者 日本メーカー→船便など一般的な国際物流→中国国内配送→消費者 対象商品 輸入禁止品目以外のすべての商品 越境ECポジティブリスト(電子商務零售進口商品清単) 限度額 1回あたりの購入限度額 5,000元(約80,000円)
年間の購入限度額 26,000元(約416,000円)・直送モデルについて
中国消費者からの注文を日本で直接受け、⽇本から商品をEMS等の国際宅配便 を利⽤して消費者に直接配送する⽅法です。消費者は個⼈輸⼊として輸⼊時に⾏郵税を納付します。⾏郵税額が50元以 下の場合は、免税です。輸⼊品⽬の指定はなく、輸⼊禁⽌品⽬以外は輸⼊することができます。行郵税は商品ごとに13%~50%で設定されています。主な商品の行郵税は以下の通りです。税率 商品 13% コンピュータやデジタルカメラ、食品、飲み物、家具、おもちゃ、ゲームなど 20% スポーツ用品や釣り具、洋服、デジタルビデオ、自転車など 50% タバコやお酒、宝石、ゴルフ用品、腕時計、高級化粧品など なお、行郵税については変更されるケースが多く、現地での確認をおすすめします。
【参考資料】
国務院関税税則委員会関于調整進境物品進口税有関問題的通知
http://www.gov.cn/xinwen/2019-04/09/content_5380667.htm・保税区モデルについて
保税区モデルは、あらかじめ中国の保税区に商品をまとめて輸送し、中国国内の保税区で商品を保管し、注⽂ごとに通関 ⼿続きをし、出荷する⽅法です。注文後、中国国内から出荷するため、直送モデルと比較すると納期が短いという特徴があります。税金については越境EC電商税が適応され、関税が0%、増値税と消費税70%が課税されます。対象商品については国務院がポジティブリストを公開しており、現在は1413種類の商品が掲載されています。主な商品の税率は以下の通りです。税 率 商 品 11.2% 化粧品、家電、飲料、食品、日用品など 20.2% ワイン、宝石、貴金属など なお、税率については増値税と消費税が含まれています。
【参考資料】
跨境電子商務零售進口商品清単(2019年版)
http://images.mofcom.gov.cn/cws/202001/20200110143527533.pdf
以 上
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