中国経済の回復状況について
- 中国では新型コロナウィルス感染拡大は落ち着き、経済が回復しているというニュースを目にする機会がありますが、実際はどうなのでしょうか?
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7月16日、中国国家統計局が発表「2020年第二期(4~6月期)の国内総生産(GDP)速報値」では、実質経済成長率は前年同期比で3.2%増でした。第一期(1~3月期)は、四半期統計が開始されて以来で初のマイナス成長となりましたが、経済活動の回復を背景に成長率はプラス圏に転換しました 。しかし、今年上半期でみると、成長率は1.6%減と、依然としてマイナス圏で推移しています。
項 目 | 成長率 | |
第二期 | 上半期 | |
国内総生産(GDP) | 3.2% | -1.6% |
第一次産業 | 3.3% | 0.9% |
第二次産業 | 4.7% | -1.9% |
第三次産業 | 1.9% | -1.6% |
農牧漁業 | 3.4% | 1.1% |
工業 | 4.1% | -1.8% |
製造業 | 4.4% | -2.5% |
建築業 | 7.8% | -1.9% |
小売・卸業 | 1.2% | -8.1% |
運送・倉庫業 | 1.7% | -5.6% |
宿泊・飲食業 | -18.0% | -26.8% |
金融業 | 7.2% | 6.6% |
不動産業 | 4.1% | -0.9% |
情報伝達、情報技術サービス | 15.7% | 14.5% |
中国国家統計局より
第二期の産業別のGDP成長率は、「第一次産業」が3.3%増、「第二次産業」が4.7%増、「第三次産業」が1.9%となり、製造業を主とする「第二次産業」が回復を主導したことが分かります。特に建設用掘削機や集積回路、工業用ロボットの生産量は二ケタの伸びとなりました。農業・林業・水産業を主とする「第一次産業」は夏季収穫食糧が0.9%増で、過去最高額となりました。食肉の生産量は10.8%減で、鶏肉以外の羊や牛、豚肉も減少しました。非製造業を主とする「第三次産業」では、情報伝達、ソフトウエア、情報技術サービスの業界で15.7%増、金融業で7.2%増、不動産業で4.1%増と順調な伸びでした。一方、宿泊・飲食業で18.0%減少した。しかし、宿泊業においては、7月14日、中国文化・旅游部は国内ツアー旅行を解禁しました。これにより中国国内の旅行会社は省と省の境界をまたぐ団体ツアーや航空券とホテルのセット商品の販売再開となりました。省境をまたぐ団体旅行の解禁は実に173日ぶり。また、飲食業においても、入店時のスマートフォン登録などは継続しているが、一定の管理の下、徐々に賑わいを取り戻しつつあると報告が現地から届いています。さらに各種イベントやコンサート、観劇・映画鑑賞など文化・娯楽活動についても有効な対策を講じた上で段階的再開の基本方針が発表されました。第三期では特に宿泊・飲食業での改善次第で、さらなる経済回復が見込まれます。
新型コロナウイルス感染拡大については、北京市や大連市など局地的な流行はあるものの中国全土では感染は収束傾向にあります。また、今回のデータは経済活動の本格的な再開が景気回復につながったと部分も大きいと思います。引続き、中国の経済活動状況について注視していきましょう。
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