業績不振による減給や人員整理について

新型コロナウィルスの発生後、中国工場のオーダーが減少しています。このような状況が長期化する場合、減給や人員整理も検討する必要があります。中国での減給や人員整理について教えてください。
  1. 減給の場合
    減給を実施する場合、従業員への状況の説明と本人の合意が必要になります。減給後の条件で合意に至った場合は書面による覚書を作成し、サインしてもうようにしてください。
    合意に至らなかった場合、再度打合せの場を設け、説明を行うことになります。

    実際の現場では合意を得ることは非常に困難であり、場合によっては、減給を一方的に実行するというケースもあります。その際、従業員に対し減給通知を送付し、定められた期間内に明確な返事をするよう記載します。

    減給を拒否された場合、再度打合せの場を設けることになります。その際、従業員には「自宅待機」を交渉の材料として使うことも可能です。

    北京市 「自宅待機期間において、同市最低給与標準の70%以上を基本生活費として支払わなければならない(※1)」とされております。

    上海市 「企業が業務を手配できない場合、同市最低給与標準を下回らない労働生活費を支給しなければならない※2)」とされております。

    また、従業員によっては頑なに減給を受け入れないケースもあります。もし、従業員が労働部門に訴えた場合、労働局から指導や罰金などの行政処罰を科せられる恐れがあります。そして、勤続年数に応じて経済補償金を支払うよう求めてくることが考えられます。

    減給通知については、本人の明確に同意の意がなかったとしても、通知から1ヵ月以上経過していれば、黙認したものとみなされ、有効になります。
  2. 労働時間を短縮する場合
    従業員と協議の上、新たな賃金報酬の調整、交代制勤務、労働時間の調整し、従業員の合意を求めることになります(※3)。労働時間短縮について合意しない従業員に対しては「自宅待機」を交渉の材料として使うことも可能です。会社側が一方的に労働時間短縮を行った場合、従業員が労働部門に訴え、労働局から指導や罰金などの行政処罰を科せられる恐れがあります。
  3. 希望退職を募る場合
    法律では「合意解除」になります。退職を希望する従業員を募るという方法になりますので、法定以上の経済補償金を求められる場合が一般的です。会社側で許容できるプラスα(上乗せ分)の額を算出しておくことが重要になります。スピーディーに人員整理をことができる方法ですが、優秀な従業員も辞めてしまうリスクもあり、雇用を継続してほしい従業員への配慮を忘れないように実施する必要があります。
  4. 整理解雇の場合
    労働契約法第41条では、20人以上、又は20人未満であるが従業員総数の10%以上の人員削減を行う場合、以下のように定められています。
    ① 企業破産法の規定によって企業再生を行う場合 
    ② 生産経営に重大な困難が生じた場合
    ③ 生産転換、重大な技術革新または経営方式に調整があり、労働契約変更後において、なお人員削減が必要である場合
    ④ その他の労働契約締結時に依拠した客観的な経済状況に重大な変化が起こり、労働契約の履行が不可能となった場合

整理解雇を行う場合、労働部門などへの届出が必要になります。その際、解雇条件を②「生産経営に重大な困難が生じた」とした場合、「3年連続赤字、かつ赤字が毎年増加し、債務超過の状態」が条件となります。よって、新型コロナウイルスの発生自体あまり時間を経過していないため、労働部門が同意しない場合が想定されます。

※1「感染拡大防止期間に労働関係安定維持を行うことに関する問題の通知」(京人社労字[2020]11号)

http://kfqgw.beijing.gov.cn/zwgk/tzgg/202001/t20200124_1621280.html

※2「上海市人力資源及び社会保障局の解釈」

http://rsj.sh.gov.cn/12333web/dzbz/wz/202002/t20200212_1303182.shtml

※3「新型コロナウイルスによる肺炎の感染流行予防・抑止期間における労使関係安定の取組みを適切に行い、企業の操業・生産再開を支持することに関する意見」

http://www.mohrss.gov.cn/gkml/zcfg/gfxwj/202002/t20200207_358328.html

以 上

中国ビジネス攻略のヒント—メルマガ会員登録

メルマガ会員登録
毎週火曜日中国ビジネスヒントにお役に立て最新情報を配信します。