上海市で実施されている新型コロナウイルスの感染予防対策について

先日、日本のテレビ番組で“中国の新型コロナウイルスからの復帰に向けて”の特集番組が放送されていました。中国ではスマートフォンを使用した健康管理が徹底されているようですが、具体的にどの様な管理をしているのか詳しく教えて下さい。

上海市では、新型コロナウイルスが流行した2月頃から「随申碼」という自分の健康状態を示すアプリが導入されました。アプリは各都市で異なっており、上海市は「随申碼」、蘇州市は「蘇城碼」などと分けられています。スマートフォンのアプリ“支付宝(アリペイ)”からアプリを開きます。アプリを開くと、今の自分の健康状態を示すQRコードが現れ、同時に赤、黄、緑の3種類のうち、どれかの色が現れます。

(健子状態を赤、黄、緑で判断する)。

色についての説明

赤色(隔離を勧める):医学管理措置が未だ解除されていない。確定診断後、未だ退院していない。
 疑わしい部類の中から未だ排除されていない。
黄色(医学観察を勧める):重点地区から上海に入り、上海での滞在日数が14日以内の人。
緑色(通行が許可される):未だ異常な状態になっていない、又は既に医学管理措置を解除された人。

上記の赤、黄、緑の色分けは、上海市が所有するビッグデータや上海市公共管理機構のデータを活用し、データのモデル化と分析評価をした後に判断・決定されます。既に自宅での14日間の隔離を終えている場合は緑色になります。上海市内のオフィスビルやフィットネスジムなどに入館する際には、この「随申碼」の提示が求められます。緑の場合は入館できますが、黄・赤の場合は入館を断られます。

自分の行動履歴が分かる“行程査詢”

「行程査詢」は、直近1カ月以内の自分が訪れた、又は経過した都市が分かるアプリです。

「行程査詢」は高速鉄道の各駅で実施しているケースが目立ちます。駅に到着後、改札口に立っている検査員から「行程査詢」のQRコードをスマートフォンでスキャンする様に指示されます。これをスキャンすると以下の2点が瞬時にスマートフォンの画面に現れます。
①→その日から14日以内に、自分がどこの都市を訪問・経過したのか。
②→その日から15日~30日以内の期間に、自分がどこの都市を訪問・経過したのか。

<行程査詢の画面>

この様に、一瞬で自分の行動履歴が分かってしまうので、仮に武漢市を訪れた・武漢市を乗り換えで利用した人に対しては、厳しい検査が行われます。このサービスは、中国の各通信会社(中国移動、中国電信、中国聯通)が提供しています。市民が契約しているSIMカードにより通信会社が異なるため、中国移動、中国電信、中国聯通それぞれのQRコードが準備されています。

弊社スタッフ(日本人)が先日の労働節(5月1日~5月5日)に蘇州市に行った際のケースを報告します。蘇州市の高速鉄道の駅は未だに厳格な感染予防対策が実施されています。まず、蘇州駅の高速鉄道改札口でパスポートの提示をします。そして、検査員から紙を渡され、自分の名前やパスポート番号、乗車した便名、家の住所などを細かく記入します。その後、警備員に誘導されながら、改札口から少し離れた巨大な白いテント(陰圧テント)の中に案内されます。そこで、再度パスポートの提示と、蘇州市での訪問先などを細かくチェックされます。そして、冒頭で述べた「蘇城碼」の緑色の提示、次に「行程査詢」で自分の行動履歴を提示します。これが終わるとようやく解放されます。

蘇州市の感染症予防対策は、上海市と比べてかなり厳しいように感じます。

上海市では4月から個人のPCR検査を開始しました。検査を希望する市民は、自費にて新型コロナウイルスの核酸検査を受ける事ができ、検査から48時間後には結果を知ることが出来ます。上海市内の職場によっては、検査報告書の提出が義務付けられています。中国では、早期発見、早期追跡、早期隔離を徹底しており、その情報をスマートフォンで確認することが出来ます。これにより、ウイルスの「見える化」が進むことから、第2波、第3波が起きてもすぐに対策を打てる体制が整いつつあります

以 上

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