「中華人民共和国外商投資法実施条例」について

先日中国で公布された「外商投資法実施条例」について教えてください。

2019年12月31日、「中華人民共和国外商投資法」(以下、外商投資法)の実施細則にあたる「中華人民共和国外商投資法実施条例」(以下、実施条例)が公布され、今年1月1日から外商投資法とともに施行された。「実施条例」は、昨年 11 月に「意見募集稿」が公開され、12月12日に国務院常務会議で承認された。制定にあたっては、政府、外資企業、 業界団体、各国の在中商工会、弁護士事務所等から広く聴取した意見をできる限り取り入れたとしている。

これにより、これまでに適用されていた外資三法(「中外合弁経営企業法」「中外合作経営企業法」「外資企業法」)は廃止され、今後は外商投資法が中国における外商投資の基本法となる。基本法は国の制度・政策に関する理念、基本方針を示すとともに、それに沿った措置を講ずべきことを定める。そのため内容が原則的、抽象的なものにとどまるケースが多くなる。したがって、外商投資法に基づく実務運用を行うためには、今回公布された実施条例の内容も合わせて理解することが重要となる。

具体的には以下のように規定されている。

1.中国自然人とも共同で出資について外商投資法(第2条)では、外国投資者による単独またはその他の投資者と共同で外商投資企業の設立を認め、実施条例(第3条)では「中国の自然人を含む」と記載された。

2.政府調達活動の参加への参加について
外商投資法(第16条)では外商投資企業の政府調達活動の参加を認め、実施条例(第15条)では、政府調達の担当者はサプライヤー条件の決定及び 資格審査、入札評価基準などにおいて、外商投資に対し差別的な対処をしてはならないと定めた。

3.入金と送金について
外商投資法(第21条)では中国国内での出資、利益、資本収益、資産処理所得、知的財産権使用料など法に従って取得した所得について人民元または外貨にて自由に入金や送金を認めた。実施条例(第22条)では法人及び個人に対し違法に通過、金額、頻度などの制限をかけてはならないと定めた。

4.行政機関による技術移転について
外商投資法(第22条)では行政機関及びその職員は、行政手段を利用した技術移転の強制を禁止した。実施条例では行政手段について行政許可、行政検査、行政処罰、行政執行などの行政手段と定めた。

5.商業秘密について
外商投資法(第23条)では行政機関及びその職員は、業務の上で知りえた外商投資企業の商業秘密に関し、法に従って秘密保持を守らなければならないとした。実施条例(第25条)では職務遂行に必要な範囲に限定し、職務遂行と関係のない者は関連資料に接触してはならないと定めた。

6.行政許可について
外商投資法(第30条)では中国各主管門は、外国投資者に対し内資企業と同一の条件・手順に基づき、許可申請を審査・承認を行わなければならないとし、実施条例(第35条)では条件・手順について許可条件、申請資料、審査プロセス、審査時限と定めた。

最後に外商投資法の第1条では本法制定の趣旨を「さらなる対外開放の拡大、積極的な外商投資の促進、外商投資の合法的な権益の保護、外商投資管理の規範化、全面的開放の新たな枠組み形成の促進、社会主義市場経済の健全な発展を促すため」と規定しています。すなわち、対外開放は今の中国の基本的な国策であり、ネガティブリスト上で禁止されていない分野であれば、内資企業と同じ条件で参入が可能となります。また、ネガティブリストは近年、毎年改定が行われており、その度に縮小される傾向にあります。対外開放は今後もさらに拡大していく方向にあることを明確にした政策であるといえるでしょう。

以 上

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