現地子会社の中国企業への持分譲渡と売却益の処理について(1)

1.持分譲渡手続き

「持分譲渡」とはある会社に投資している企業が、その保有する出資持分(株式)を別の企業に譲渡することである。

「持分譲渡」は、通常であれば外商投資企業が中国から撤退したり、企業グループ内での資本関係を組み替えたりする際に検討される。撤退のケースでは法人格がそのまま維持され、資産、負債の処分が要らないため、会社清算よりも企業の負担が少なくて済むからだ。

だが、近年は日系企業の企業価値に注目して、本ケースのように売却を求めてくるケースが増えている。評価される対象は、業績が好調であること以外にも、特殊な技術、所有している顧客、優秀な技術者や所有する設備など様々である。

企業価値が高く評価されている日系企業であれば、本ケースのように出資額の数倍の評価で譲渡を相談されることもある。

それでは、以下に持分譲渡の手続きを説明する。

1)当事者間での交渉、条件合意
持分を譲渡される企業について、必要に応じて財務・法務といった面からデューデリジェンス(評価手続き)を行い、譲渡条件や譲渡価格等について当事者間で合意した後、「基本合意書」を締結する。

2)董事会決議
董事会を開催し、3分の2以上の董事が出席した上で、全会一致により持分譲渡が決議される。

3)持分譲渡契約締結
当事者間で持分譲渡契約を締結する。

4)認可申請
持分が譲渡される企業の設立を認可した審査認可機関にて持分譲渡の認可を取得する。通常外商投資企業では地方商務部の認可により設立されている。
地方商務部へ申請を行うことになる。
審査認可機関は、申請に必要な全ての文書を受領してから30日以内に持分譲渡の認可を決定する。
日本での持分譲渡が当事者間の契約で効力が生じるのに対し、中国では審査認可機関の認可によってはじめて効力が生じる。

5)外商投資企業認可証書(企業批准証書)の変更申請
引続き外資企業の状態が維持される場合には審査認可機関の認可日から30日以内に同機関にて「外商投資企業認可証書 」の変更申請を行う必要がある。

6)工商行政管理局への変更登記申

7)各種登記変更

■持分譲渡手続きの流れ

■申請に必要な書類

①董事会議事録
②持分譲渡契約書
③日本本社の取締役会決議(公証人公証)
④日本の登記簿謄本
⑤日本本社の派遣董事解任書
⑥認可申請、登記抹消手続き委任状
⑦営業許可証
⑧当初の験資報告書と出資証明書
⑨その他提出を要求された書類

次回は「2.持分譲渡側の税務上の処理」を解説します。

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