非消化有給休暇の買取りについて

中国の現地法人で予定外の業務を受注することになり、一部の従業員の有給休暇を買取ることを計画しています。その際の注意点などを教えてください。

まず、従業員年次有給休暇条例では「従業員は連続して満12ヵ月勤務した場合、有給休暇を取得できる」と定められています(第2条)。取得できる日数は累計勤続年数によって、以下のように決められています。

累計勤続年数有給休暇日数
1年以上10年未満5日
10年以上20年未満10日
20年以上15日

「連続して満12ヵ月勤務」とは、現在、勤務している会社の勤務期間だけではなく、前職などを含め、これまでの会社で勤務した期間が範囲になります。よって、中途採用した従業員でも入社1年を待たずして有給休暇を取ることが可能です。また、試用期間中であることを理由に有給休暇を取らせないことは労働法違反になる可能性あります。

未消化の有給休暇を買取る場合、以下の方法で算出します。その際、本人の同意を得ることが必要なりますので(企業従業員年次有給休暇実施弁法 第9条)、書面を用意し、従業員本人にサインをもらった上で保管するようにしてください。

買取りの額 =「従業員1日当たり賃金」× 有給休暇未消化日数 × 200%

※「従業員1日当たり賃金」=「従業員の月給」÷ 21.75日
 「従業員の月給」=現職での12カ月の平均額(※残業代は含まない)

(企業従業員年次有給休暇実施弁法 第12条)

未消化有給休暇の次年度への繰越しについてご説明します。中国では繰越しは行わず、余った分については会社が買取るのが一般的です。企業年次有給休暇条例でも「当年度中に全日数を消化することを原則とする」とされています。

法定有給休暇と福利厚生有給休暇についてご説明します。法定有給休暇とは上記のように、中国の法律で定められた有給休暇の制度を指します。福利厚生有給休暇は会社の福利厚生の一部として設定している有給休暇制度になります。就業規則に福利厚生有給休暇に関する取扱いが明記されていない場合、法定有給休暇と同様に未消化有給休暇の買取り義務が課せられます(企業従業員年次有給休暇実施弁法 第13条)。

このようにして買取られた未消化有給休暇は有給買取手当として従業員に支払われ、給与と合算して個人所得税を納めます。この際、従業員側の誤解を避けるため、未消化の有給休暇買取りに関する書面上に課税に関するアナウンスも同時に行うことをお勧めします。

以 上

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