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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


2015年、上海の百貨店出店事情


 旧暦では昨日、2015年未(ひつじ)年の春節(旧暦新年の初日)を迎えました。最近、特に上海や北京などの都市部では春節休暇を海外で過ごす人が増えていますが、やはり大半は家族のもとに帰省するのが慣例です。そのため、春節前は「年貨」(お正月を迎えるために準備する食べ物や備品のこと)や「礼包」(贈答品セット)と書かれた広告や商品が増え、家族や親戚へのお土産需要が活況となり、中国で最も消費が高まる時期です。そんな中、2月8日(日)に上海新世界大丸百貨(以下、「新世界大丸」と略記)がプレオープンしたので見に行ってきました。

 中国では計画や工期の遅れで、とりあえずプレオープンしつつも、準備中の店舗が目立っていることはよくある話ですが、新世界大丸も前例に漏れず、まだ店内には内装業者や関係者が作業中でした。5月のグランドオープンに向けて準備中といったところです。そのため、今のところ開店に関するニュースや広告はほとんど見られず、微信(携帯電話のSNSアプリ「wechat」)で個々人が情報発信している程度です。来店客はほとんどいなかったものの、ほぼ全てのテナントが埋まっており、欧米の一流ブランドが目立ちます。

 ちなみに、J.フロントリテイリング傘下・大丸による新世界大丸への出資はなく、運営管理や販売促進のために人員派遣や技術指導を行うようです。2014年上海商業施設売上高ランキングで三位となった新世界百貨の親会社による出資だけあって、市内一等地への出店。南京東路歩行者天国の東端に位置し、外灘(バンド)からも程近い観光客スポットの中心で、上海人や上海に住む人よりも観光客の人通りが多いところです。

 さて、昨年の中国国内におけるトップ150の商業施設の売上高は前年比3.1%減で、全体の約6割で業績低下、特に北京や上海などの都市部では1〜2割の売上げ減少が見られました。ネット通販での海外商品販売や海外旅行者数の増加により、百貨店でしか買えないものや百貨店で買うことのステータスが薄らいでいるのでしょう。

 まさに百貨店やショッピングモールにとっては戦国時代を迎えている中、今年も上海に35以上の商業施設が新規オープン或いはリニューアルオープンが予定されています。特に、浦東エリアには、来年開園する上海ディズニーランドや世界第二位の高層ビル「上海タワービル」をはじめ、10の商業施設がオープンを予定しています。
このほかに、香港そごう出資の久光百貨が閘北区にある大寧国際広場に2店舗目を出店します。このエリアはベッドタウンで周辺に大学もあり、近隣に競合する商業施設がないため、夕方や週末は家族連れの来客で賑わっています。富裕層を対象としてきた久光にとって新境地への出店です。


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