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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


「ネット」vs「実店舗」vs「ネット+実店舗」


 この度、フランスの小売大手、カルフール(家楽福)が中国でコンビニエンスストア事業に参入することが分かりました。カルフールは1995年に中国に進出し、主要都市の繁華街を中心に店舗を拡大してきました。しかし、追随してきた他社との競争に加えて、ネットショッピングなど多様化する消費者のニーズに応えられなくなっていており、失速してきています。こういった伸び悩みはカルフールに限らず、中国における主要な小売業の多くに見られます。中華全国商業情報センターがまとめた2014年上半期の中国主要小売業100社の売上高が、前年同期比0.2%の減少となり、1996年の調査開始以来初めての前年実績割れを記録しました。中国指導部が進める倹約令や腐敗摘発が全体の消費を鈍化させているのに加えて、ネット通販の拡大が影響しているとみられます。そんな中、コンビニ業の勢いは衰えることを知らず、13年には小売業トップの18.2%という成長率を上げています。カルフールはこの成長力に目をつけ、この度のコンビニ事業参入になったとみられています。

 しかし、コンビニ業界は、ローソンやファミリーマートなどの外資に加え、中国国内小売大手も参入している激戦業界で、上海だけでも4,800店舗(13年調べ)程度で、約3,000人あたりで1店舗あるといわれ、すでに飽和状態に達しています。
 カルフールが新たに展開するコンビニは『easy家楽福』という名称で、上海市閔行区に1号店をオープンします。店舗面積300平方メートルという広さは、普通のコンビニの約3倍で、どちらかというと小型スーパーに近い規模ですが、品揃えは菓子、飲料、日用品とどこでもよく見られるもののようです。日本ブランドの人気が高い業界に新しく加わるカルフールは、スーパーの伸び悩みをどこまでカバーできるかが大きな課題です。

 また、ネット通販大手の京東商城が農村の家電購入を支援するために、実店舗を開設することになりました。顧客の代わりにネットで商品を注文し、家までの配送とアフターサービスも担う1号店は、河北省趙県に設置し、今後3年以内に同様の店舗をフランチャイズで1,000店舗まで展開するようです。アリババグループが運営するネット通販サイト「タオバオ」がEC市場のシェアの過半数を超えている現状に対抗することができるか注目されています。



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