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第20回 董事長に給料は必要なし

 中国企業の「董事会」という組織は、企業の最高意思決定機関である企業法にも謳われているとおり、わが国の株主総会に相当するものです。

 通常の合弁会社は有限責任公司であり、株式を発行しないことから言えば、正確には「出資者代表会議」とでも呼ぶべきものです。

 この董事会を構成するメンバーである「董事」は、公司から独立して各出資者(株主)の利益を代表する、言わば「出資者代表」であり、日本でいう企業の「取締役」とは根本的に異なります。この董事会会議開催を通知・招集し、会議を主宰するのが「董事長」です。

 法上では董事長は公司の法定代表者とされていますが、必ずしも公司の社員である必要はなく、現実には「出資者総代表」、「出資者会議議長」といった名誉職(いわゆる「チェアマン」)に近い位置付けにあります。通常、董事長は最大出資者の長が兼務就任します。こういう役割から日本の「代表取締役会長」によく例えられますが、社員でないことを考えれば似て非なるものです。

 董事長は公司の顔役ですから、経営権にこだわるよりも、中国側のトップに任せたほうが経営上は得策でしょう。董事長、董事ともに、それぞれの出資者が任免し、董事会会議に派遣出席させるものですから(派遣元をどこにするかは合弁契約中で決めます)、もちろん、公司から報酬を受けるものでもありません。

 では、いわゆる「役員報酬」というものは存在しないのでしょうか?中国はもともと社会主義国ですから、役員報酬や利益留保などといった「資本主義的な」概念が存在しませんでした。しかし、過去においてまったく存在しなかったかというと、そういうわけでも無いらしく、どうやら「出張旅費」や「高級管理職手当」なるものがその役割(実質的利益配分)を果たしていたようです。ですから、契約中でわざわざ出張手当などを「董事会決議事項」と定めているんですね。

 最近では、別の変化がおきており、私営企業については、「企業の利益=経営者個人のもの」、「資本金、会社の資産=経営者個人財産」という、逆の意味で極端な理屈も一人歩きし始めています。

  (・・・続く

…「チャイナリスク」、「チャイナビジネス」著者 筧 武雄

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