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中国の「職業資格制度改革」について

半年ほど前、中国で長年に渡り中国茶関連ビジネスに携わる日本人の方から、中国の国家資格の一つである「茶藝師」(※)が廃止になるというお話をうかがいました。以前、「茶藝師」が国家認定されることを知った時には、さすがはお茶発祥の国だと感服した覚えがあり、またこの資格は、日本人の取得者も大勢いるほどポピュラーなものという印象であったので、その廃止予定のお話は意外に思えました。(※「茶藝師」資格は、茶葉に関する知識や文化、美しい淹れ方の所作などの習得認定で、中国のホテルや茶館等で茶芸関連の業務に従事する場合に必携と言われます)。

 

この日本人の方のお話には続きがあり、廃止後を見据えて、日本で新たに茶芸関連の社団法人認定資格の立上げ準備を進めており、中国各地で主催する中国茶講座も継続するとのことでした。今回調べたところ、「茶藝師」国家資格は、2016年12月に実際に廃止となっていました。これに関連して、中国の「職業資格制度改革」について、ご紹介します。

中国の「職業資格制度」はそもそも、1994年にスタートしました。業務に関する専門性や能力を認定するためだけでなく、国民全体の職能向上、それによる産業・経済のレベルアップを図るという構想に基づき、数ある職種毎に対応する認定資格が設置されていきました。

【中国の「職業資格」とは】

職業資格は、「専門技術系」と「技能系」、「許可類(就業に際し、その資格の保持が必須とされる)」と「レベル評価類(相応の知識や技能を習得していることを認定する)」に分けられます。また、原則は5段階の等級制となっています。

職業資格については、他の能力検定と異なり、国家や地方政府によって相応の待遇(資格手当や福利厚生の優遇など)に関する規定が定められているほか、会社設立時の必須条件に資格保持者の雇用が課されるケースなどがあります。また、2000年に公布された「技術系職種の従業員雇用に関する規定」では、90種類の職種に対し、就業に際して職業資格の保持を義務付けていました(同規定は2015年に廃止済み)。

しかし、制度のスタートから20年を経るうちに、問題が顕在化してきました。各々の政府部門や地方政府、業界団体などにより過剰に「職業資格」が設置され、時代の変化により不要となったもの、実際の業務とかけ離れた内容で実用性のないもの、複数の資格で内容が重複するものなどを含めて、数えきれないほどの資格が乱立する状況を招いてしまったのです。

このため、2014年以降、国務院及び人力資源・社会保障部の主導の下、職業資格制度の改革が進められてきました。改革は、同制度の健全化を図るとともに、人材市場を活性化し、求職者に就業の門戸を広げること、企業の人材雇用・育成に関する自由度を高めることを目的としています。

重点的な整理の対象となったのは、「国務院担当部門が設置した職業資格のうち、依拠する法律・法規または正式な国務院決定が無いもの」、「各政府部門や業界団体、学会が独自に設置したもの」で、廃止、統合、「許可類」から「レベル評価類」への移行、または新たな関連法規を制定して職業資格制度の外に管理を移行する、といった措置が適用されました。

また、今後に渡って保留される「職業資格」は、「国務院担当部門が設置した職業資格のうち、依拠する法律・法規があり、国家・公共の安全、公民の身体・財産の安全と密接な関連のあるもの」を原則とし、全て国家認定資格に統一管理されることとなりました。

この改革は、2015年末までに職業資格の整理をほぼ完了し、2017年には合理的、かつ規範に則った職業資格体系の構築を目指すという進捗目標を掲げていましたが、2014年7月~2016年12月までの期間に、7回に渡る国務院決定が公布され、それまでの国家職業資格全体の70%に相当する計433種類を廃止するなど、職業資格の整理はひとまず完了しました。

2016年12月には、今後も認可・認定の対象となる職業資格の一覧である「国家職業資格目録リスト」の草案が公示され、近日中には、正式なリストの発表が見込まれています。

【これまでに廃止された国家職業資格】計433種類

販売員、ウェイター/ウェイトレス、ぬいぐるみ製作工員、清掃員、鉄道チケット販売員、草刈り機操作工員、木材運搬工員、自動車販売師、タイヤ再利用工員、土地価格評価師、PC修理工員、宝石品質検定師、飴細工師、映画テレビ俳優、カメラマン、ファッションモデル、など


 【今後も認可・認定の対象となる見込みの国家職業資格】計151種類

専門技術系 /58種類 許可類 / 34種類 教師、弁護士、登録会計士、医師、登録建築士、特許代理人、ラジオ・テレビのアナウンサー及び司会者、など
レベル評価類 / 24種類 通信専門技術員、資産価格評価師、環境影響評価エンジニア、出版専門技術員、など
技能系 /93種類 許可類 / 8種類 消防士、溶接工、家畜繁殖員、水難救助員、電車運転士、自動車運転教習指導員、など
レベル評価類 / 85種類 ボイラー技士、エレベーター設置・修理工、保安員、酒鑑定師、茶葉鑑定士、美容師、中華調理師、洋食調理師、心理カウンセラー、など


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