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中国市場への視点
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中国市場への視点
 ~相次ぐ内部告発事案ー企業・業界のモラル欠如と監督管理の課題~

毎年3月15日の「世界消費者権利デー」には、中国中央テレビが、「315晩会」という、消費者の権利を侵害したとする企業を告発することで知られる特別番組を放送します。
日本でも報道されたように、今年は「無印良品」「イオン」「ナイキ」などの著名企業数社が名指しされましたが、番組の中で日系企業について伝えられた、「中国が『放射能汚染』を理由に輸入禁止にしている福島県など10都県の食品を販売している」という指摘が完全な誤報であったことも、物議を醸しました。
同番組放送後の騒動も冷めやらぬ中、中国では新たに、従業員がネット上に自社の欺瞞行為に関する内部告発を発表するという事件が相次ぎ、世間にショックを与えています。 うち1件は「食品」、1件は「地下鉄」という人々の生活への影響も極めて大きいものです。
以下に具体的な内容をご紹介します。これらは会社ぐるみの悪質な行為であった嫌疑がかかっていますが、場合によっては管理層の目が行き届かないところで問題が起きてしまうこともあります。そうならないよう、チェック体制を万全にすることの大切さをあらためて感じさせられました。

【上海の高級パン屋に関する事件】
3月22日未明、とあるネットユーザーにより、上海の有名パン店を名指しで告発する内容が発表されました。この告発によると、製造現場は不衛生で、パンの原料に賞味期限切れでカビの生えた小麦粉が使用されているとのことです。告発者は同店の従業員で、自身は昨年10月にパン職人として入店、期限切れの小麦粉が使用されていることに気付いて以来、数か月に渡り証拠集めのために隠し撮りの映像記録を行い、管轄当局に通報したとのことです。
告発されたパン店はフランス人オーナーの経営による有名店で、「上海一美味しいフランス式パン店」、「3時間並んでも買うべきパン店」などと評され、市内の有名百貨店など数か所に店舗出店していました。 通報を受けた当局の対応により、これまでに、2千数百袋(一袋25キロ入り)もの期限切れの輸入小麦粉が押収され、店の関係者らが取り調べのため拘留されています。
このパン店及び系列のフランス料理店は、上海在住の日本人、外国人の間でも評価の高い人気店でした。同店がこのような事態を招くとは誰もが予想だにしておらず、高級店でも信用できないという困惑、憤りを交えた衝撃が広がっています。
折しも上海市では3月20日から「上海市食品安全条例」が施行され、食品安全に対する監督管理を一段と強化していくところでした。
この事件に関する上海市食品薬品監督管理局局長の弁によると、今後上海市では携帯アプリケーションを利用した「遠隔監督管理システム」の導入を進め、生産現場に事前に設置したカメラ映像により、食品生産者への日常的な監督を実施する計画が進められるとのことです。

【陝西省西安市の地下鉄3号線に関する事件】
3月13日、「陝西奥凱ケーブル社(以下「奥凱社」という。)」の従業員を名乗るネットユーザーが、「西安の地下鉄に乗る勇気はありますか?」という標題の告発文を発表しました。
告発は、2016年8月に開通した西安地下鉄3号線について、全線で使用されている「ケーブル」が施工基準に満たない不合格品であり、安全面に懸念があるとしています。 ケーブルの納入業者である「奥凱社」はこれにすぐさま反論し、告発者を名誉棄損で通報すると発表しました。
また、騒動を受けて国家ワイヤー・ケーブル監督検験中心、西安市質量監督検験検疫局などが問題のケーブルを調査しましたが、20日に行われた西安市政府による調査結果発表では、3号線の3地点で抜き取り調査したケーブルがいずれも不合格品であったことが明らかにされました。> 報道によると、「奥凱社」には中国国家工商行政管理総局が運営する「全国企業信用情報公示システム」上に2015年11月、2016年1月及び2月の計3回に渡り、国家基準に満たないケーブルを製造販売したなどの違法行為を理由とする行政処罰の記録があるといいます。
何故このような企業が公共交通、公共安全に関わる地下鉄工事の材料納入業者に選定されることになったのか。この問題に関しては、地下鉄工事の入札関連の汚職が疑われる他、各種入札制度や、価格重視で品質を軽視するケーブル業界のあり方そのものが問題視されるなど、複雑な問題に発展しています。 また、「奥凱社」のケーブルは成都市、重慶市など他都市の地下鉄にも使用されていることが分かっており、まだまだ波紋は広がりそうです。    (S.I)

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