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その6 2000年と20世紀
    中国の10大ニュース



1999年については、
「中国のWTO加盟につき米中合意(11月)」、
「NATO軍がユーゴ駐在中国大使館をミサイル攻撃(5月)」、
「気功集団「法輪功」を非合法組織と認定(7月)」
などを挙げられるが、2000年はどうだろうか。
下記のようにまとめてみた。


2000年中国10大ニュース


1. 陳水扁台湾新総統が誕生 大陸に衝撃 (3月18日)

半世紀に渡り台湾統治をしてきた国民党が選挙に敗れ、
野党民進党に政権を渡したことは、
中国の歴史上、初めての平和的な政権交代となり、
共産党に絶妙な勉強材料を与えた。

2. 西部大開発を新たな発展戦略の重点に (1月)

改革・開放により沿海地域は大きな発展を遂げてきたが、
いつまでも「先富論」を続けるわけには行かない。
地域格差を是正し、政治的、社会的安定を計る上で
重要な意味を持つ。

3. 中国人の来日観光が解禁 まず北京、上海、広東より (9月)

日本では大きな話題になった。
物価の高い日本にも来れるほど中国に金持ち層が出来た。
もっとも、出国前に預ける保証金は
密入国の為に「蛇頭」に払う金より安い為、
既に3人ほど失踪したとか。

4. 邦銀が大連のノンバンク向け債権を3400万ドル放棄 (6月)

伝統的に対外交渉の下手な日本人が
悪い前例を作ってしまい、その後、
中国各地のノンバンクが連鎖的に邦銀に対し
債権放棄を要求し、日本の金融界に大きな衝撃。

5. 宝山鋼鉄が上海A株市場上場 中国最大の上場企業に (11月)

「市場経済」化の本質は資本主義化。
資本主義への前進の一事例に過ぎないが、
日本業界挙げての支援の下、もめにもめて誕生した
中国最強の鉄鋼会社であるだけに、印象に残る。

6. 北京―上海間高速道路が開通 (12月)

近年良く日本で見られるような
ほとんど単なる景気対策の公共事業ではなく、
中国の投資環境の改善に大きな役割を果たしている。
高速道路総延長では世界第3位になったと言う。

7. 朱鎔基首相が日本市民と始めて直接対話 (10月)

中国側がやや歴史問題にこだわりすぎて、
日中経済協力関係にぎすぎすしたものが感じられる中、
江沢民主席の顔を立てるのも忘れずに、
庶民宰相ぶりを演じ、仲直りに大きく貢献。

8. 中国版ゴールデンウィークの7連休が消費刺激に奏効 (5月)

その間、北京、上海の主要百貨店は
前年同期比4割も売上げが増え、
全国で国内旅行に出かけた人は4,600万人にも達し、
有名観光地は空前の人込みだったと言う。

9. アモイ大型密輸事件で14人が死刑に (11月)

同じ腐敗厳罰の事例でも、政治闘争と直接関係の無い、
全人代成克傑副委員長の汚職罪による死刑(9月)より、
海外ではもっと注目されていた。
江沢民主席の側近が関与した噂については、
いまだ不明のままであるあたりも今の中国。

10. ジャスコが上海から撤退 (7月)

日本大都会の主要駅と違い、
上海駅は金持ちの上海人ではなく、
主に収入の少ない地方客が出入りする場所。
当然物は売れない。
土着化できない日本企業の失敗例として挙げてみた。


20世紀の部では、ニュースと言うより、
歴史的に重要な出来事だ。


20世紀中国10大ニュース


1.義和団事件講和条約を8国連合軍と調印 (1901年)
2.清王朝を覆し、中華民国が設立 (1911年10月10日)
3.愛国主義の「五・四」新文化運動が勃発 (1919年5月4日)
4.中国共産党が上海にて誕生 (1921年7月1日)
5.近代史上初めて外敵に勝つ抗日戦争 (1937〜1945年)
6.国民党が共産党に敗れる国内戦争 (1945〜1949年)
7.毛沢東が中華人民共和国の設立を宣言 (1949年10月1日)
8.無数の被害者が出る「文化大革命」 (1966〜1976年)
9.共産党大会で改革・開放を決定 (1978年)
10.香港がイギリスより中国に返還 (1997年)


義和団の鎮圧で植民地化され、
香港返還に続くマカオ返還(1999年)で
最後の植民地が消える中国の20世紀であった。
ついでに、21世紀についても、
誰でも出来る予測を2つだけしておこう。


21世紀中国10大ニュース
(100年後完成予定)


X.中国が米国を凌ぎ GDP世界一に (20??年)
Y.大陸と台湾が祖国統一に合意 (20??年)

〔完〕 2001.1.22
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