その14
あなたも100〜120歳まで生きられる
――中国の名医が言った
(後半)
<運動法>
最善の運動は歩くことだ。
ゴルフでも、ボーリングでも、水泳でもない。なぜか。
人類は100万年掛けて自分の体を歩くための構造にしてきたからだ。
激しい運動はたまには突然死を招くことがあるが、
適量の歩行は、硬化した動脈を軟化させることができるのだ。
方法は、1回3キロ、30分以上、週に5回。これは1つの目安。
具体的にどの程度のものが適量かというと、
自分の年齢プラス心拍数イコール170まで歩くのが最適だ。
例:50歳の方なら、心拍数は120になるまでだ。
歩行以外に推奨すべきは太極拳だ。
最大の効用は神経系統を丈夫にし、平衡感覚が良くなることだ。
アメリカ老人体育協会は老人を2組に分けて研究した結果、
筋肉が丈夫になったはずのアスレチック組より、
1銭も使わない太極拳組のほうが、転倒・骨折率が50%も少なかった。
<タバコと酒>
タバコの害はご周知の通り。
どうしてもやめられない人は、1日5本以内に押さえること。
タバコの量を倍増やすと、害が4倍増えることに留意。
酒は少量なら良い。大量なら害。
<心のバランス>
これは実は、健康のための最も重要なポイントだ。
北京の100歳以上の老人を見ると、生活習慣はいろいろある。
早寝早起きの人もいるし、遅寝遅起きの人もいる。
肉好きな人もいると思えば、タバコを吸う人もいる。
(勿論、吸わなければもっと長生きできるはず。)
しかし共通しているのは2つ、1つは怠け者がいない。
もう1つは、全員性格が明るく、温厚で、人に優しい。
小心ですぐくよくよする人、或いはすぐ怒る人は1人もいない。
性格はこんなに重要なのか。
人間は自然に動脈硬化が進むため、
50歳ぐらいの人は毎年、1、2%血管が狭くなる。
高血圧、高中性脂肪である場合、毎年3、4%血管が狭くなる。
ところが、人間が激怒すると、
1分間で血管が100%狭くなることがある。この場合は即死だ。
いかに性格が大事か分かる。
癌患者を個室に入れて入念に治療すると、大体半年で亡くなる。
グループにして、毎日お喋りしたり、ダンスしたり、
楽しく生活させると、中には20年経っても元気な人がいる。
良い薬を飲んでいるので延命していると言うわけではないのだ。
本人の心のバランスと家族など周りの人からの暖かい支援が重要だ。
楽観的な目で世界を見ると、世界は明るく見える。
悲観的な目で世界を見ると、世界は暗く見える。
ある哲学者の言うように、生活は鏡である。
あなたが笑えば生活も笑い、あなたが泣けば生活も泣くのだ。
<生活訓>
1. 健康に最善の薬:「養心八珍湯」
@愛する心。A人助け。B正義感。C他人に寛大。D親孝行。
E度を過ぎない大人しさ。F奉仕。G見返りを求めない。
2.3つの心得
「助人為楽」:人助けを楽しみとする。
「知足常楽」:少しでも成果があれば不平不満を言わない。
「自得其楽」:逆境の中でも明るい兆しを見出す。
3.4つの最高
「最好的医生是自己」:最高の医者は自分。
「最好的薬物是時間」:最高の薬品は時間。
「最好的心情是寧静」:最高の心境は安静。
「最好的運動是歩行」:最高の運動は歩行。
4.4つの少し
「糊塗一点」:少しバカになる。
「瀟洒一点」:少し遊び心を持つ。
「度量大一点」:少し太っ腹になる。
「風格高一点」:少し譲る気持ちを持つ。
<終わりに>
何が人の心のバランスを乱すかと言うと、例えば、
自分の後輩或いは自分より能力の無い人が自分より上に行く、
サラリーマン生活の中に良くあることだ。
日本にいる外国人にとっては、
コミュニケーション不足でもっといろいろと難儀があろう。
長寿なのか、短命なのか、結局自分の心構え1つで、
大半を決めてしまうことになるのだ。これは、
相当な部分で自分の運命を自分で決められることを意味する。
120歳生きられても、長い歴史から見ればただの一瞬でしかない。
今の自分を大事に、楽しく生きようではないか。
<完> 2002.8.6
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