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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


邦画人気からインバウンド誘致へ

最近、日本のアニメ映画が次々に上映されています。
11月11日に『ワンピース フィルムゴールド』が上映されたのを皮切りに、11月25日からは『名探偵コナン 純黒の悪夢』、そして、日本でもロングラン上映中の『君の名は。』が12月2日より上映が始まりました。『君の名は。』については、公開4日目にして興行収入が3億元(約49億円)を超え、中国全土で上映されている作品の興行収入の約半分を占めるなど、現地でも大きな話題となっています。中国で邦画が上映されることは少なく、毎年6月に開催される『上海国際映画祭』内の「上海・日本映画週間」で上映される邦画のチケットがあっという間に売り切れるほどです。中国での邦画の人気が高さや連日の日本アニメ映画公開は、筆者としてもとても嬉しいもので、ご多分に漏れず、『君の名は。』を鑑賞してまいりました。公開2日目の朝一番の上映でしたが、9割方の席が埋まる盛況具合でした。
そんな中、中国の映画専門サイト「猫眼電影」にて、現在上映中の映画に関する分析がありましたので、ご紹介します。


映画名

公開初日

公開5日目

公開5日間
累計興行収入

興行収入
(万元)

興行収入
占有率

スクリーン
占有率

興行収入
(万元)

興行収入
占有率

スクリーン
占有率

君の名は。

7,621.45

45.9

29.8

2,667.47

39.6

33.7

3.44億元

コナン

522.42

4.1%

7.2%

179.82

3.3%

7.8%

2,702.7万元

ワンピース

2,368.34

21.8%

19.0%

437.37

9.5%

14.2%

8,026.0万元

ファンタスティックビーストと魔法使いの旅

7,482.10

58.0%

31.7%

2,936.25

53.2%

35.4%

3.45億元

モアナと伝説の海

1,332.58

10.3%

15.0%

688.70

12.5%

16.8%

9,956.4万元

我不是潘金蓮

7,037.72

61.9%

39.0%

1,966.37

47.6%

33.4%

2.71億元

この時期、ハリー・ポッターの新シリーズとなる『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』やディズニーの長編アニメーション映画『モアナと伝説の海』(2017年3月日本公開予定)のほか、日本人にもなじみのある馮小剛(フォン・シャオガン)監督が手掛けた新作『我不是潘金蓮』など数多くの人気作が上映されています。このような状況で、日本アニメ映画、特に『君の名は。』の突出振りは素晴らしいものがあります。
2008年に公開された『非誠勿擾(邦題:狙った恋の落とし方)』(馮小剛監督)がきっかけで、中国人の北海道人気が広がり、中国人観光客が2年で25倍になったと言います。また、2012年に大ヒットとなった『人再?途之泰?(英題:Lost in Thailand)』の公開後は、タイ旅行が一大ブームとなりました。大ヒットとなった映画のロケ地をめぐる中国人旅行客が増えていることから、中国人にも所謂「ロケ地巡り」という言葉が確立されつつあるようです。
近年急増している訪日中国人観光客は、ゴールデンルートと呼ばれる大都市ではなく、地方都市を訪れることが多く、日本で撮影された中国の映画やドラマのロケ地が注目されているようです。「上海・日本映画週間」の期間中は、日系百貨店で映画の舞台を紹介する展示会が開催されます。『君の名は。』の舞台となった場所について、既に日本では話題になっておりますが、中国人が情報源とするSNS上でも様々な情報が飛び交っています。
先に配信しました9月30日号や10月14日号のサマリーでもモバイル決済などのスマホの利用について触れましたが、SNSを広告媒体として使う企業も増え、自治体が観光資源のPRに利用されています。中国で何が流行っているのか、何が売れそうか探るためにも中国系SNSのチェックは日課となりそうです。         (M.N)

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