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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


中国知財保護の実態と新政策の公布

広く知られているように、中国といえば模倣天国である。中国における模倣品被害は年間約10兆円にものぼると言われている。また、特許訴訟も増加しており、年間4000件以上(09年)も発生したという情報もある。近年では海外の企業が訴えられるケースも発生している。 
 筆者は今月初旬(11月)、上海で広島県企業17社の上海におけるFHC(国際食品見本市)出展と広島食品商談会に参加、運営をサポートしてきた。この17社の中、じつに2社が模倣品被害に遭って、対応に苦慮していた。 
1社は中国でとても売れている洋菓子のパッケージがそっくりに模倣された。この洋菓子の商標には日本の地名が使われていたため、商標登録ができなかったという。対応策を検討しているが、いまだによい解決案が見つからないでいる。 
もう1社は酵素を使ったドリンクの商品名だが、こちらも先に商標を中国企業に登録されてしまい、仕方なく商品名を変えた。結果として泣き寝入りになったわけだが、まだ新しい商品で、販売を開始したばかりであったから、被害は最小限で済んでいるという話だった。 
  いずれにして、日本の食品はいま中国で注目されている。良い商標であれば、常に模倣被害のリスクが存在しているのが実態だ。 
そんななか、11月28日、中国共産党中央委員会と国務院の連名で「財産権保護制度を整備し、法律に基づいて財産権を保護することに関する意見」が発表された。 これは、財産権保護制度の整備、強化に関する中国共産党中央委員会・国務院の意見である。ここでいう財産権には物権・債権・出資権のような有形財産権以外に、知財権といった無形財産権の保護を強調している。 
 第9項に「知識財産権保護の強化」が設けられ、中国政府の財産権保護に対する強い意志が見て取れる。 

  1. 知識財産権侵害時の賠償上限を現行規定より引き上げる。 
  2. 特許権・著作権などの知財権への重大な侵害があった場合の懲罰性賠償制度を新設。 
  3. 侵害側に対して権利者側の侵害制止にかかる諸費用を負担させ、侵害側への懲罰を強化。 
  4. 知財権侵害行為を企業または個人の社会信用記録に載せ、一般公開を行う。 
  5. 知識財産権裁判所の役割を強化し、民事・刑事・行政のいわゆる「三審合一」(行政執行と刑事司法の    一本化)を実施、司法による知財権保護を強化していく。 
  6. 外国関連の知財権侵害に関する法規を整備し、不正を徹底的に取り締まり、外国ブランド・信用を守っていく。 

以上、この政策がどの程度効果を発揮するかはわからないが、賠償制度やその行為を一般公開するなど、かなり厳しい対応を講じている。一定の効果が期待できるであろう。 
それでも商標を速やかに登録しておくことは必要である。日本で販売しているから関係ないと安心していると、その商標が中国で拡散し、大ヒットしてしまうかもしれない。 
商標登録については弊社でも対応しているが、まずは身近な専門家に相談してほしい。  (M.E)

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