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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


中国のスマホ利用状況――決済サービスと配車アプリ

中国は銀聯カード(銀行カードを利用したデビットカードサービス)が決済の主流だと思われている方も多いのではないだろうか。現金は使わなくなっている状況は知っているものの、いまだに銀聯カードだと思っているとそれは大間違い。いまやスマートフォン(以下、スマホと略)で会計を済ませる人が急増している。
ネット決済だけでなく、リアル店舗にネット決済の支付宝(アリペイ)や微信支付が参入し、市場は激戦の様相を呈している。プ

リペイドは贈答用のギフト券的な用途が多かったが、近年は物理的なカードだけでなく、スマホアプリでポイントカードと連動するといったように進化している。
支付宝や微信支付は対応端末が必要となってくるが、個人商店やバーなどでは、個人名義のスマホでお金を送金して支払いを済ませる若者も多い。筆者は上海のバーで、その決済の現場を見かけた。ロックバンドグループの若者4人が、2,500元(40,000円)ほどを、スマホをかかげて一瞬で決済して帰っていった。個人名義の口座を使った決済だと発票(領収書)は発行されないので、店の売上に計上されることはないだろう。
中国の決済手段多様化の影響は中国国内ではとどまらない。増加を続けるインバウンドのニーズに応えるため、日本国内でも中国式決済を導入する企業が増加している。銀聯カードに加えて支付宝や微信支付もコンビニエンスストアや家電量販店で利用可能な店舗が増えてきている。
日本人の間では、スイカやパスモ等の交通系カードでの支払いが増加しつつあるが、スマホを使った決済にはまだ抵抗があるのではないだろうか。スマホの使用状況は日本を遥かに凌駕しているといわれる中国だが、決済手段としての活用も進んでいるのだ。
そういえば、タクシーもスマホでの予約が当たり前となり、流しでタクシーを捕まえることが難しくなった。中国版「UBER(ウーバー)」と呼ばれている「滴滴出行」である。その普及のスピードには驚かされるばかりだ。
今年の8月、米国の配車アプリ大手のウーバーは、自社の中国事業を、競合相手だった「滴滴出行」に売却した。統合後ウーバーは、中国国内での営業活動から事実上撤退した。
日本にもウーバーは上陸しているが、利用者は増えていないし認知度も高まらない。スマホにアプリをダウンロードして登録すれば、地図上で場所を指定するだけで最寄りのタクシーを配車してくれる。決済もカードで自動的に行われ、走行距離や時間など詳細な料金情報を記した領収書をメールで受け取ることができる。圧倒的に便利なウーバーであっても日本では規制が多く、料金体系が障壁となって普及を拒んでいるという。 (M.E)

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