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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


「爆買い」と化粧品市場の動向

先日配信しましたChinaWork Weekly8月19号の【経済・産業】ニュースでもお伝えしている通り、今年7月の訪日外国人者数が前年同月比19.7%増の229万7,000人と、単月では過去最高となりました。このうち、中国からは同26.8%増の73万1,400万人と、こちらも単月としては過去最高となっています。日本政府観光局(JNTO)によると、対中国市場について、クルーズ船寄港数の大幅な増加による押し上げ効果があったと発表しています。
家電量販店などで中国人旅行者を見かけると、いまだに「爆買い」の文字が浮かびます。2015年の流行語大賞にも選ばれた「爆買い」ですが、昨年と今年では中国人旅行者の消費動向に変化があります。爆買いの対象品が昨年は電気製品だったのが、今年に入ってからは化粧品や医薬品と言った肌やカラダにつける製品に変わりました。JNTOの訪日外国人消費動向調査によると、次のような変化が見られます。

(出所:JNTOよりチャイナワークが作成)
購入者単価でみると、昨年までは電気製品の購入額が高くなっていますが、今年になると化粧品・香水が高くなっています。電気製品は中国国内で購入しても品質の高いものを買い求めることができますが、品質の高い化粧品などを手に入れることは難しいといいます。
国家食品薬品監督管理総局のデータによると、2015年11月末時点での化粧品生産企業は4,542社になります。中国市場全体を見ると、国内化粧品ブランド製品は中低級市場、海外ブランド製品は高級市場と分類することができます。この海外ブランド製品の販売量は化粧品全体の60%に達し、販売額は約90%を占めます。また1カ月に化粧品にかける費用も、中国全体では100元を超えることはなくても、地域別では都市によって異なります。たとえば西安や成都は平均して70元前後ですが、上海や広州では約90元、北京では120元以上になります。世帯での収入が高くなれば、それに伴い化粧品などにかける費用も高くなる傾向のようです。
百貨店のそばを通ると、化粧品の香りで気分が高揚してしまいます。ついつい手が伸びてしまう、旅行者じゃなくてもそんな気分なります。化粧品の市場は、生活と心の豊かさを表す一つの指標になるのではないでしょうか。(Y.C)

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