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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


中国「価格制度改革」の推進について



 中国国務院は近日、「価格メカニズム改革の推進に関する若干の意見」(以下「意見」)を公布しました。今後の価格改革はどのように進められるのか、政府による公定価格制定はどうなるのか、また、市民生活にはどのような影響があるのか、下記を御覧ください。

【改革のタイムスケジュール】
 2017年までに、競争的分野・プロセスの価格を基本的に自由化し、政府が公定価格を制定する範囲は主に、重要公共事業、公益性サービス、ネットワーク型産業における自然独占プロセス(電力の送電、ガスの移送等)に限定する。
 2020年までには、市場が価格を決定する仕組みを完成させるとともに、市場価格の管理・監督制度、独占禁止の法体系を確立する。

【公定価格の対象分野を大幅削減】
 政府公定価格の「ネガティブリスト」対象となるのは7種類25項目のみ。2001年版の公定価格目録と比較すると、約80%の項目が削減されたことになる。
ネガティブリスト対象の7種類はそれぞれ、天然ガス・水道・電力・特殊薬品及び血液・重要交通運輸サービス・需要郵政業務・重要専門サービス。

【価格改革、生活への影響】
・ 「電気・ガス・水」の段階性料金制度を推進する。
・ ブロードバンドインターネット回線の高速化、低料金化を推進する。
・ 医薬品の価格を市場化する(特殊薬品を除く)。
・ (精製)石油製品価格を時期をみて市場化する。
・ 農産品については、作物の種類によって異なる支持政策を継続するが、
  価格を大幅に市場化する。
・ 教育分野の価格自主権を拡大する。義務教育段階の公立学校の学費は免除されるが、営
  利性民間学校では学費等を自主決定する。

 価格改革によって、市場主体による競争を促進する目的がありますが、すでに自由化された医薬品価格については、却って上昇を招いたという報道もあるなど、難しい面も見受けられます。 
 市場化の一方で、価格分野の管理・監督体制も強化されます。すでに「12358価格通報システム」が開設され、電話及び公式HPを通じて、一般からの「価格」に関する通報や相談を受付けています。最近の通報内容には、小売商品価格に関する問題の他、駐車料金や観光施設料金の不正徴収等が多く見られるとのことです。
 また政府は、独占禁止法違反の検挙も引続き強化するとしており、今年、日産自動車が出資する日中合弁メーカー・東風日産に約1億2330万元(約23億円)の制裁金が科されたことは日本でも大きく報道された通りですが、同じく今年、独メルセデス・ベンツも独禁法違反により、3億5000万元(約65億円)の制裁金を科されています。中国国内の大手酒造メーカーにも処罰を受けたところがあり、今後もこの傾向は続きそうです。



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