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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


中国人観光客の買い物傾向

 ここ連日、円安の影響で外国人旅行客による日本での買い物が増えている、というニュースで賑わっています。全国百貨店の2014年売上高のうち、訪日外国人向けの免税売り上げが前年比1.9倍に増加したそうです。その代表的存在が中国人観光客と言えるでしょう。2014年11月の訪日中国人観光客数は、前年同期比103.6%の増加で、他国観光客を圧倒しています。また、2014年7月〜9月期の消費額で見ると、中国人観光客一人当たりの平均消費額が23万6353円と、前年同期比18.7%の伸びを見せ、2013年10月以降増え続けています。そして、来月には旧正月の大型連休(今年は2月18日〜24日)を控え、訪日中国人観光客の更なる増加が見込まれています。

 日本を訪れる中国人観光客の最大の目的が買い物です。炊飯器などの電化製品やデジタルカメラ、腕時計やブランドバックなどが長年の人気商品でした。しかし、その傾向に変化が見られてきています。2014年10月に免税制度が改正され、食品や化粧品、酒類も免税対象となったことが後押しとなって、最近はドラッグストアなどで大量に生活用品を購入する観光客が増加し、それぞれの店舗が対応に追われています。

 買い物傾向の変化としてまず、『消費トレンドの現地化』が挙げられます。新年の初売りでは各デパートなどで「福袋」が並びますが、これが中国人観光客の中でも知られるようになり、ネットには攻略法が紹介され、今年は「中国人が福袋を買占め!!」というニュースが流れたことをご存知の方も多いでしょう。

 次に挙げられるのは、『消費理念の個別化』です。日本土産の定番という固定観念が薄まり、高級ブランドを求める人や日本独特の雑貨を求める人、おやつや調味料をまとめて購入する人など、それぞれが個性を求めて自分の好きなものを手に入れようとしているようです。

 最後に挙げるのは、『購入方法の多様化・現地化』です。これまで免税店や大型デパートが主な購入先でしたが、それがドラッグストアや地元の商店街にまで広がってきています。スマートフォンが普及し、日本と中国との間に情報ギャップが少なくなった現在では、日本観光のゴールデンルートと呼ばれる大都市よりも、地方を好む個人旅行客も増えてきており、多様化と分散化の傾向は今後も続くと見られています。

 このように購買力の高い中国人観光客が、日本各地津々浦々を訪れるようになるには、受け入れる側もそれに応じた対応が必要です。中国語の看板を作る、中国語人材を置く、世界一の発行枚数を誇る中国版デビットカード『銀聯カード』対応のカードリーダーを設置する、免税対応ができる店舗を増やす、というような対応が早急に求められるでしょう。


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