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  ■中国市場への視点 (株)チャイナワーク


2014年訪日中国人が80%以上増、
日本の初売りセールも円安と免税で好調な滑り出し



 昨年末、帰国が近づくにつれて、周囲の中国人から買い物の頼まれ事が増えました。中国では、正規ルートで輸入された日本商品は関税や増値税がかけられ、とりわけ上海においては、家賃や小売店に支払うコミッションが高いこともあり、販売価格は最低でも日本の数倍になります。直接の友人だけでなく、友人の家族・親戚・同僚を取りまとめて頼んできたり、数十万円のブランドバッグや単価は安くても数十ケース頼まれることも全く珍しくありません。特に、今回のお正月は円安の影響もあってか、高級ブランド物やベビー関連の消耗品など高額或いは大量に頼まれ、ほとほと参りましたが、中国人消費者の購買力の勢いを身をもって感じました。
 2014年は、輸出や海外市場において販路を持つ企業にとっては大きな追い風が吹いた反面、日本で輸入ビジネスや輸入原料を必要とする企業にとっては厳しい一年となりました。そのため円安による日本経済と企業への影響については、色々な見方がありますが、観光誘致の面では、この円安基調と昨年10月1日から実施されている消費税免税措置が影響して、2014年の訪日外国人は前年比約30%増の1300万人に達すると見込まれ、小売市場を活性化させていることは確実です。日本政府観光局(JNTO)の昨年1月から11月末までの統計調査によると、訪日外国人の中でも、中国人客の増加率は前年比で80%以上と、他国に比べても群を抜いています。ニュースによれば、日本の高島屋では、昨年4月からの消費税増税によって前年比売上が低迷していた状況を、10月からの消費税免税措置で前年比より売上が増加したとか。大手百貨店での初売りセールでも外国人による免税売上高が前年比2〜3倍程伸びているようです。

 一方、中国国内における日本製品の販売には、上述のとおり、様々な障壁があるため、とりわけ中小企業の方々は苦戦しています。先月半ばに、上海高島屋で開催した「四国・中国物産展」で販売されている商品も必要コストを考えれば納得の価格ではあるものの、日本人から見れば破格の高さ。物産展期間中、何度か足を運んだ際に、商品を購入している客層はやはり中国人でした。出展した企業に中国での小売展開について伺ってみると、企業の多くが値下げ努力をしていて、日本よりも卸値を下げているという企業もいました。中国では、一方で大量かつ安価な国内メーカーに対抗しつつ、もう一方では、非正規ルートで仕入れた輸入品をネットなどで販売することが横行しているため、日本の中小企業にとって中国の小売ビジネス環境は厳しいことも事実です。
 そんな中、好調な兆しが見えてきたという声もあります。今回物産展に出展したこんにゃく麺を販売する企業は、手軽さとこんにゃくの健康効果をPRし続けて今年から中国での売上が安定し始めたそうです。また調味料を販売している企業は、今回が初出展だったが、久光百貨やシティースーパーなどの有名小売業者からオファーを頂き商談すると同時に、中国での商標権取得のための準備を進めているそうです。


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